新たに考案した離乳食の調理実習と実食

事業地内の村で実施している保健教育。講義のあとはクイズを行うなどして知識の定着化を図っています。

5月の保健教育では保健や栄養に関する講義だけでなく調理実習も実施しました。 PHJカンボジア事務所で考案したレシピ
を活用して、栄養豊富なおかゆの離乳食を作りました。

ポイントは事業地内の畑の作物や市場など、身近で手に入りやすい食材を使うこと。また、作る手間を感じさせないよう離乳食と大人用の食事を同時に作れるよう工夫されています。



出来上がった離乳食を試食。赤ちゃんや子どもたちにも好評です。


【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

医療スタッフの技術・知識の定着を目的とした栄養研修を開催

5月4~6日に医療スタッフに向けた子どもの栄養研修を開催。
今回は再研修ということで、技術・知識の定着を目的に実施しました。

身体の発育が盛んな乳幼児時期の栄養の良否は、その後の成長・発育に大きく影響します。
また、現在なお世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、
適切な栄養摂取による免疫力向上は、こうした感染症の感染の防止にもつながります。
当初栄養研修は予定されていなかったものの、事業地の幼児の栄養状況を改善したいとの
現地パートナーの要望により開催しています。

前研修では子どもの栄養状態を計測方法などを演習
記録や栄養状況を書き込む参加者

ストゥントロン保健行政区において医療スタッフを対象とした栄養研修が行われたのは初めてとのこと。
研修を受けた看護師の一人は栄養面でのケアに関する知識や技術を身に着ける
機会に恵まれたことを喜んでいました。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

多忙なお母さんにやさしい栄養満点の離乳食とは

栄養教育の一環として離乳食のレシピの開発を行いました。

まず事業地内の村で手に入る畑の作物や市場で売っている食材を調べました。
また養育者や保健ボランティアにコミュニティでの栄養摂取状態を聞き取り調査しました。

こうした調査をもとにPHJカンボジア事務所でレシピを考案。

離乳食の作り手となる村のお母さんは家事や畑仕事と多忙なので、食材は身の回りで手に入るもので、かつ、離乳食をつくる手間を感じさせない工夫が必要です。

調理の過程で二つに分けることで離乳食と大人用の食事を同時に作れるように考えました。

離乳食は塩、砂糖入れないので、カボチャやサツマイモで甘みをつけるようにしました。

最後はスタッフが味見。赤ちゃんも大人も満足できる離乳食完成です!これから離乳食の実習に活用していきます。
【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金より実施しています。】

産前・産後の健康促進用リーフレットを作成

妊産婦や新生児の健康促進のため産前と産後用にリーフレット各1,000部を作成し、対象となる保健センターに寄贈しました。

保健センターに来院する妊産婦さんに、スタッフがリーフレットを使って健康や栄養に関するアドバイスを行います。リーフレットは妊産婦さんに手渡します。

口頭の説明だけでは忘れてしまうことが多く、何度も読み返せるリーフレットを配ることで、母子の健康向上に貢献することを目的としています。

リーフレットは、保健省と州保健局にガイドラインに沿っているかを確認いただき、保健行政区や保健センターのスタッフには地域住民に伝わりやすいものになっているかを吟味していただくなど、現地の保健行政機関からの協力を得ながら作成しました。
(イラストや写真を多用したリーフレット)

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金より実施しています。】

小児疾病統合管理(IMCI)の再研修

保健センタースタッフに対する小児疾病統合管理(IMCI)の再研修が1月に実施されました。
保健省と州病院の医師が講師となり、州病院にて5日間開催されました。

子どもの病気のサイン、栄養状態確認、診断とケア、感染症の治療と予防、食生活などの講義が行われました。

州病院に診察に来ている子ども(低体重)にも来てもらい実際の症例を学びました。

講義後に、州病院の小児病棟や市内の保健センターを訪問し、研修講師による管理指導のもと講義内容にそった実習も行われました。

研修後は知識の定着を確認するテストも行われました。

 

離乳食の調理実習と栄養教育

子どもの成長促進・健康向上は、普段の食事や生活習慣が大きく影響します。そのため、各家庭でお母さんをはじめとする養育者が正しい知識や調理法で子どもを養育できるように働きかける必要がありました。

PHJは2021年11月、12月を通して、事業対象地の全34村で保健教育を実施しました。2歳以下の子どもの離乳食の調理実習と栄養教育をしました。また、それと同時に、新型コロナウイルス感染防止を含めた衛生教育も行いました。

参加者は、普段家庭で作っている離乳食との違い(形・色・栄養など)を確認しました。

また、それと同時に、新型コロナウイルス感染防止を含めた衛生教育も行いました。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

カンボジア事業第3年次の日本NGO連携無償資金協力の署名式典

2022年1月19日(水)に、日本NGO連携無償資金協力署名式典が行われました。

同式典では、三上正裕駐カンボジア特命全権大使とPHJカンボジアの石山所長との間で
「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業(第3年次)」について贈与契約書に署名を行いました。
同式典では、三上大使がスピーチの中で
本式典に参加しているPHJを含む3団体の活動を紹介し、
地方部における地域住民により密着したきめ細かい支援を行うことの大切さ、
そしてCOVID-19 が世界的に問題となる中であっても日本としては、今後とも、
国際協力NGOの皆さまと連携し、様々な課題解決のお手伝いしたいと述べました。

続いてPHJカンボジア事務所長の石山が、日本国民及び政府への感謝の意を表明するとともに、
着実に事業を推進していくことを約束しました。

下記、石山所長のスピーチです

「三上大使閣下、 在カンボジア日本大使館の皆様、 ストゥントロン保健行政区長 イム医師
この度日本NGO連携無償資金協力贈与契約を締結させていただきましたこと、特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン を代表しまして深く感謝申し上げます。

生まれるということ、これはすべての人間が経験する尊い出来事です。出産は、お母さんにとっても、生まれてくる赤ちゃんにとっても、人生の中で最も体力を使う大仕事です。産後休み、きちんと栄養をとるかどうかで、その後の母子の健康に大きく影響します。だからこそ産後ケア室は、世界はあたたかい場所であるということを赤ちゃんに教えてくれる大事な場所、こんな風に私は考えています。

事業地のクポッタゴン保健センターで、出産後すぐに帰宅するお母さんをたくさん見てきました。大半のお母さんは、出産後、数時間たらず、なかには1時間ほど保健センターの分娩室にあるベッドに滞在した後、そのままバイクに乗って帰路に向かっていきました。 道路のほこりにまみれになりながら、産まれたばかりの子どもを抱えて辛そうに家路へと向かうお母さんの姿は、今も忘れられません。

しかし、今は、ODAの支援で、クポッタゴン保健センターに産後ケア室が建設されたため、
お母さんと生まれたばかりの赤ちゃんが、快適な産後ケア室で十分休んでから、帰宅できるようになりました。2020年、建設が完了して以降、たくさんのお母さんとその家族の笑顔見ることができています。

これは、単に産後ケア室を建設しただけでなく、現地のパートナー、保健センタースタッフや、保健ボランティアなど関係者全員が協働し、自発的に産後ケアの大切さを地域住民に対して啓発・教育したからこその結果です。

日本の政府が長い間、支援の理念としている、自助の努力・主体的に取り組む姿勢を通じて、現地の自立を目指しながら、現地のパートナーとお互いに協力し合い、支え合い、学びながら私たちは支援を行っています。

前年次では保健センタースタッフや保健・母子保健ボランティアの能力強化を行い、地域住民対象の村での保健教育活動を始めました。 3年次も引き続き、村での保健教育活動を行い、家庭で養育者が子供の健康を守れるよう努めていきたいと思います。今回、本事業の最後の年となりますが、事業の現地へのオーナーシップの移行を効果的に行い、さらなる現地の自立を目指し、事業完了に向けて精進していきます。
この事業がカンボジアの未来の発展と希望に大きく貢献するため、また、日本とカンボジアの友好関係を深めるために精一杯行わせていただきます。
最後に、直接事業にかかわるすべての方と全ての日本の方々に対し、再度感謝を申し上げたいと思いす。
ODAを通して、全ての日本国民と一緒に活動できること、とてもうれしく誇りに思っております。どうもありがとうございました。」

ご支援者の手作りマスクとスカーフを孤児院へ寄贈

PHJのご支援者のおひとりが、現在も続く新型コロナウイルスの世界的な感染拡大のなかで、カンボジアに何か支援をしたいと手作りマスク23枚、スカーフ50枚を寄贈してくださいました。マスクは一つ一つご支援者が丁寧に手作りしたもの。

寄贈いただいたマスクとスカーフはPHJカンボジア事務所に送り、10月にプノンペンにある政府運営のKolap4孤児院で暮らす子ども達に渡してもらいました。
孤児院などの人が密集して生活している施設などではクラスターが起こりやすいため、マスクの感染予防の品物は大変喜ばれます。この寄贈の際も、敷地内で新型コロナウイルス感染者が確認されたため、入れませんでした。

思いがけないプレゼントに子どもたちは大変喜んでいました。
こうしたあたたかな「お気持ち」を糧にピープルズ・ホープ・ジャパンは
今後もカンボジアの支援活動に精一杯取り組んでまいります。
ご支援まことにありがとうございました。

産後の母子ケアにむけた取り組み

産後の母子の健康改善を目的とした取り組みの中で、産後検診の受診を促進するために、産後検診を受診した産婦に配布する子育てキット計597個を保健センターに寄贈しました。その後、実際に産婦さんに配られています。産後検診を進めることで、母実施健康における異常の早期発見及び早期の適切な治療が期待されます。子育てキットの内容は、タオル、腰巻、ベビーパウダー、ベビーソープ、爪切りで、主に生まれた赤ちゃんの衛生状態を保ち、感染症の予防を目的としています。

また、保健センターの管轄村内で活動する保健ボランティアを支援するために、充電式懐中電灯を計109個寄贈しました。充電式懐中電灯により夜間の急な相談や暗い部屋でのケアの際の光源となります。太陽光で充電できるため、長期的に繰り返し活用できます。

【本事業は、成田コスモポリタンロータリークラブからのご支援により実施しています。】

ボランティアの能力強化2_離乳食の調理実習

前回報告しました保健・母子保健ボランティア対象にとした能力強化研修 2日目の調理実習の様子を報告します。


当初より予定していた離乳食の調理実習を含めた栄養改善の取り組み。2020年7月に医療者対象のSAM・栄養研修の際に、近隣に住む養育者の子どもの腕回りを測り栄養状態を確認する実習を行いました。すると、ほとんどの子どもが栄養失調状態と判明し、栄養改善のための取り組みの必要性を再認識しました。

栄養状態を改善する取り組みとして、子どもの栄養に関する保健教育と、栄養たっぷりの離乳食の調理実習を村で実施することとなりました。今回は事前の演習として実際に村で離乳食の調理実習をしました。

一部の材料をその場で調達。

 

ガスは通っていませんので、炭から火をおこします。

実食。この赤ちゃんは離乳食を食べるのが今回初めてでした。

また、午後は、コロナ感染対策についての衛生教育も行いました。

村での保健教育用の栄養、衛生、小児ケアに関するポスターを配布しました。

 

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実しています。】


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