活動2年目振り返りとトレーナー研修

現在進めているプロジェクトは3年間のプロジェクトで
2年目のレビューと3年目の活動に向けたトレーナーのための研修を視察するため
PHJ東京事務所スタッフの蓮見が現地を訪問しました。
2年目のレビューについては支援対象の5省のうち4省が、目標参加人数を達成しました。


また5省から41人のトレーナーが集まり、タイ事務所の所長ジラナンがトレーニングを行いました

住民意識向上活動と助産師の能力把握

今月は住民意識向上活動と助産師能力の把握の二つを紹介します。
■住民意識向上活動
住民意識向上においてキーパーソンとなる保健ボランティアと保健センター管理委員会。
彼らの活動状況や会議の頻度について聞き取りを行いました。
その結果、どの保健センターでも保健ボランティアも保健センター管理委員会もあまり活発に活動している様子はありませんでした。
ただし、保健ボランティアについては、保健センターで定期的に会議等は実施していないものの、
村では様々な手助けをしたり、患者を保健センターに送り届けたりといった活動は実施しているようでした。
またPHJのプロジェクトや目的について保健ボランティア及び保健センター管理委員会メンバーへ説明し、理解を深めてもらうため
保健ボランティア及び保健センター管理委員会に対するプロジェクト説明会を実施しました。

■助産師技術能力の把握
助産師トレーニング計画の策定に向け、支援対象地の保健センターの助産師の助産知識やスキルを知るために、評価を行いました。
対象となる助産師数は18名(准助産師14名、フローティングスタッフ*4名)。
*フローティングスタッフとは、助産師の資格は有していないが、保健センターで出産介助を行うスタッフのこと。助産師の数が足りていないためにフローティングスタッフが存在する。

評価の方法としては、筆記試験及び実技試験を実施しました。
筆記試験については、出産や産後健診に関して。
実技試験については、妊婦健診及び家族計画に関して、助産師が患者に対して診察を行っている様子を観察し、チェックリストを使用して知識やスキルの確認を行いました。

結果としては
筆記試験については、合格ラインに達した人が多かったものの、
実技試験については、合格ラインの点数を獲得した人が1人もいませんでした。
今回の試験により、助産知識については比較的高そうであるが、臨床においては知識やスキルを適切に実践できていない助産師が大多数だということがわかりました。

助産師・TBA(伝統的産婆)の話し合いを開催

PHJでは、医療知識のないTBA(伝統的産婆)の介助による出産は危険だとして、助産師の介助による出産を奨励しています。
PHJの支援開始前、助産師による介助は47%程度でしたが、現在は90%以上になりました。
このように活動の成果は表れていますが、1月の助産所・診療所での出産は56件、病院搬送件数6件、 そして1件だけTBA(伝統的産婆)の介助による出産がありました。
支援地の村では、コストが安いという理由などで 医療知識のないTBAの介助で出産する人もわずかにいます。 そこで伝統的産婆の方々にも 安全なお産への理解を深めてもらうため 助産師との話し合いの場をつくりました。

話し合いの場では、TBAがどのような仕事を担っているか。各村との助産師さんとの関係は構築できているか、といったことを中心に話をしました。

話し合いと調査の結果、ほぼどの村のTBAも一人で出産介助をすることはなく、
助産所に連れて行ったり、付き添ったり、生まれた赤ん坊を沐浴したりといったように、
お産の手伝いをしているようでした。

助産師とも関係が構築されており、仕事内容としては補佐的なものに限られているようです。
全体的には改善されているようなのですが、TBAによる出産がゼロではないので、
今後もTBAとの関係を維持しながら細かな支援が必要だと感じています。

支援事例:NTTファイナンス株式会社

ミャンマー 助産診療センターの寄贈(2016)

NTT ファイナンス株式会社の創立30周年事業の一環として活動地のカンター村に助産診療センターの建築を支援していただきました。
2015年11月より建築を開始し、2016年3月に完成しました。
助産診療センターの完成により、妊婦は定期的に健診を受け、お産も安心してできるようになります。またこのセンターは村人への継続的な保健教育を提供する場所にもなります。
2016年6月3日に寄贈式が行われ、ミャンマー保健省、ネピドーカウンシル、NTTファイナンス、PHJの関係者が出席しました。


完成した助産診療センター

助産師の住宅の前に立つ関係者 NTTファイナンス代表取締役社長 前田幸一(左から6番目)

インドネシア 母子健康支援プロジェクト(2005)

PHJのインドネシア バンテン州 チャレナン自治区で行っている母子健康支援プロジェクトをNTTファイナンス株式会社の創立20周年事業の一環として支援いただきました。
地域保健保育センターの建設をはじめ、助産師の研修、水の簡易蒸留器の設置に関わる費用を支援いただきました。地域保健保育センターは現在も地域の拠点の一つとして有効に活用されています。

国際協力NGOが主催する就活カフェ シリーズ第3回【終了報告】

国際協力で必要になるコミュニケーションスキルとは?

開催日時:2015年3月10日
開催場所:武蔵野プレイス スペースD

国際協力という仕事を目指すとき、真っ先に思い浮かぶのは「語学力」。
でも英語だけでいいの?第二外国語ってどうなの?
漠然と悩みを抱えている学生の皆様に、実際に国際協力の現場で働いているNGOスタッフと参加者とNGOのインターンによるコミュニケーションに関するお話しをしました。
語学力を伸ばすだけが、コミュニケーション力ではなく、相手の文化を受け入れる姿勢や飛び込む勇気、聞く力など、異なる文化の人と接するうえで
配慮すべきポイントなどを具体的な事例をもとにお話しました。
お話のあとは、座談会。参加者は少なかったのですが、その分熱い質問がいくつも寄せられました。就職活動解禁となったいま、国際協力を仕事にするときいまどのような選択をすべきか、
迷われている参加者の方が多かったように思います。
参加いただいた皆様本当にありがとうございました。

■第二回の就活カフェの様子はこちらをご覧ください。


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