3年目の最終会議

3年間のHIV/AIDS予防事業の最終会議が行われ、
海外事業部長の中田が出席しました。
支援対象となった専門学校を訪問し、
設置されたピア教育ルームの視察しました。
たとえば、ランナ商業専門高等学校(LCC)は、
広い教室をピア教育ルームにしています。
性教育とダンスの先生が二名も常駐しています。
先生がいるため、想像以上に活用して下さっているとのこと。
ピアエデュケーターに関しては自立して積極的になった、
とのことでした。

どの学校の生徒も山岳民族出身であったり、同性愛者であったりと多様なアイデンティティをもっています。
そうしたなかで正しいHIV予防の知識を持ち、問題にぶつかったときに気軽に相談できる環境の重要性を感じます。
また最終会議では各校のピアエデュケーターの代表が
1年間の活動報告をしました。
それぞれ堂々と発表し、またそれぞれ成果も
だしていました。
この事業をきっかけに学校の近くにある病院で青少年クリニックが開設されたなど
地域の自発的な取り組みにつながっています。

ピア教育ルーム、続々

5月は3つの高等専門学校で、ピア教育ルームの開所式を開催しました。5月19日のCICEC高等専門学校では、VIP20名、ピアデュケーター20名、学生500名が出席しました。出席者の数からしても、この活動に対する学校全体の関心の高さがうかがえます。在チェンマイ日本総領事も出席し、MOFA助成金に対する謝辞をうけました。


学生500名が参加!

ピア教育ルームの内装

外から見たピア教育ルーム

ピアエデュケーターとしての成長

1月半ばにチェンマイの高等専門学校向けに実施しているエイズ予防教育のレビュー会議が行われ、
6校それぞれのピアエデュケーター代表が、半年間の成果を発表しました。
各学校では映像やパンフレット、歌、漫画などをさまざまなメディアを使ってエイズ予防の
啓発活動をしているその内容を紹介してくれました。
どの学校も短期間で驚くほどクオリティの高いメディアを制作していました。

その後、高等専門学校2校を訪問し、ピアエデュケーターへのインタビューを行い、より詳しい話を聞きました。
ジャンラヴィ高等専門学校(看護師、医療アシスタントなどを目指す医療系学校)のピアエデュケーターたち(下写真)の話を紹介します。
医療系の学生でもHIV/AIDSに関する知識レベルは様々で「きちんと理解したのは初めて」だったそうです。

PHJの教育活動に参加したおかげでチームで働くことを学び、勉強の合間を縫って、他の学生に伝えるピア教育の準備をし、
大変ではあったけど、ピア教育を終えた後は達成感があったとのこと。
学校職員からも「学生たちは将来医療機関で働くので身体や性について話すことになれることはとても重要です。それでなけでなくチームで働き、大人としての責任と自信を持つようになった」という言葉をいただきました。
PHJのエイズ予防教育は、エイズ予防という枠を超え、学生の主体性を引出し、チームワークやコミュニケーション力を高めるなどさまざまな可能性を秘めている活動であるということを感じました。

WORLD AIDS DAY2015に合わせて教育強化

WORLD AIDS DAY2015がPHJの活動地チェンマイで開催され、チェンマイ県副知事よりPHJのHIVAIDS予防教育に対する感謝状が渡されました。

このWORLD AIDS DAYに合わせて各高等専門学校で強化月間として教育活動をより大々的に実施しました。

コンドームといった避妊具の正しい使い方やゲームやクイズ形式によるHIV/AIDSの学習を行い、各校で通常より多い人数(100人、300人規模で)に対する活動を行いました。

移動検診車でのHIV抗体検査を実施

2015年11月に、支援対象の高等専門学校のうち4校で、移動検診車を用いてのHIV抗体検査を実施しました。男子学生80名、女子学生59名の計139名が検査を受け、そのうち1名の女子学生が陽性の結果となり、今後、医療機関で再確認検査を受ける予定です。生徒たちは自ら検査を受けたことで、HIVエイズに対して問題意識を持つ機会にもなったことでしょう。プロジェクト対象の高専6校のうち、残り2校においても、11月中にHIV検査を実施していきます。

生徒間でHIVエイズの知識を確認

移動検診車による検診では1名ずつ慎重に検査を行う

教育プログラムや検査を通して予防の活動が広がる

新たな専門学校で第三期がスタート

2015年8月14日、青少年のHIV/ AIDSプロジェクトの3年目の式典が開催され、チェンマイ県保健局、高等専門学校関係者、ピアエデュケーターおよびPHJスタッフが参加。 72名が出席しました。新しい専門学校において第三期のプログラムがスタートしました。
既に支援プログラムが終了した第二期のピアエデュケーターと職員がその経験を享受し、第三期プログラムをスタートする生徒と学校職員には、とてもいいモデルとなりました。。ピアエデュケーターは意見交換や調査も行い、そこでの意見や成果は、青少年年のHIV/エイズ予防プロジェクトのカリキュラムや教材の開発にも役立てられています。

式典には保険局や政府関係者、教育関係者など幅広い層の人々が参加

ベースラインの調査を行う生徒たち

高等専門学3校にピア教育ルーム新設

HIV/AIDS予防教育の一環として、タイで行われているHIV/AIDS予防ピア教育*。教育を広げる場として使用するピア教育ルームを、3年間で18校開設を計画しています。2年目の今年も新たに3校の開設が決まり、合計で9校が開設。これまで3万人以上の大学生、5千人以上の高等専門学校生にピア教育が広められて来ました。
新設3校のうち1校での新設を祝う式典には、40名の生徒、15名の招待客、20名のピュアエデュケーターが参加。オープニングではPHJタイの所長がHIV/AIDS予防ピア教育の必要性をアピールし、民族舞踊なども披露され華やかな式典が開催されました。来賓には青木チェンマイ総領事,堀越チェンマイ領事も駆けつけられ、この事業に対する政府の評価の高さ、今後の期待値を感じさせるイベントとなりました。新規の教育ルームを通して、HIV/AIDS予防のピア教育がさらに大勢の学生に広まっていくことが期待されます。
* ピア教育とは、同世代間で知識・スキル・行動を共有する教育のことであり、それを行う同世代のリーダーをピアエデュケーターといいます。
スピーチをするジラナンPHJタイ所長
青木総領事もオープニングでスピーチを
伝統的な衣装を着た民族舞踊も披露された
ピア教育を行う際に使用するピア教育ルーム

高等専門学校6校でピア教育を実施しました

HIV/AIDS予防教育の一環として、タイの高等専門学校6校でピア教育が行われました。同年代のピア(仲間)に対して生徒間同士でレクチャーを行う活動で、616名が教育を受け、知識テストではスコアが74%から教育後には97%にアップする成果が表れました。また、HIV抗体検査では学生51名が受診し、うち3名に陽性反応がみられました。このような結果が出たのは今回が初めてで、その後の検査のフォローアップを引き続き進めていく予定です。今回の結果は、タイの現状とこの事業の重要性を再確認するものとなりました。

選ばれた生徒がエデュケーターとしてレクチャー

コップの水に試薬を入れて、HIVの感染拡大の早さを体験

男女交際について生徒自身でシュミレーションをしてみる

HIV抗体検査を実施しました

2014年12月に、支援対象の高等専門学校のうち2校でHIV抗体検査を実施しました。
1校では25名(男24名、女1名)、もう1校では36名(男10名、女26名)が任意で検査を受けました。
結果は全員陰性。

タイでは20歳未満の生徒は親の許可がなければ
HIV抗体検査を受けられません。
そのため通常高等専門学校生の年齢にあたる14~19歳の生徒は
受ける機会はないのですが、
PHJは匿名で行うことで各校で検査の実施を可能にしました。

生徒たちが自ら検査を受けたということから
ピア教育を通して
問題意識を持てるようになった言えるでしょう。

ピアエデュケーター育成研修

高等専門学校の120名の学生がピアエデュケーターの育成研修を受けました。
泊り込み合宿で行われるこの研修では、たとえば下記のような研修をします。
●HIVAIDSの感染を疑似体験する「水の交換」

●男性と女性の体の違いを絵に描くといったワークショップ

●性交渉のタイミングについて考える
(熟れたバナナと青いバナナを食べて、早すぎる性交渉への注意を促す)

●チームワークとリーダーシップを養うワークショップ

●学生をリラックスさせるさまざまなパフォーマンス

この研修を経て、ピアデュケーターとして養成された学生が、
リーダー的な立場でHIV/AIDS予防教育を進めていきます。


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