現在、PHJカンボジアでは2歳以下の子どもの健康を支えるためのネットワークづくりをしていますが、この事業のなかで母子保健ボランティアは村の妊産婦を直接支援する役割を果たします。
活動の中でも目標とされている家庭での子供の健康に関する知識や意識を高めるためにはなくてはならない存在で、妊婦健診や産後検診といった産前産後のケアの啓蒙や栄養教育といった活動の核になります。
7月はじめの4日間、ピアムゴッスナー母子保健ボランティアの第2回初期トレーニングを開催しました。今回のトレーニングは、6月末に行った第1回初期トレーニング「妊婦健診サービスについて」の続きです。
「産後検診サービスについて」が今回のトレーニング内容で、13人の母子保健ボランティアが参加しました。
比較的大人数だったので、会場として保健センター近くの学校の教室をお借りしました。
学校の校長先生は活動にとても理解を示してくれ、快く教室を貸してくれました。
ファシリテーターとして保健局の医者と看護師が参加しました。

産後検診の大切さについての講義、新生児と母親の健康状態の評価方法、体温計の使い方、家庭訪問の仕方などが主なトレーニング内容でした。

最終日は実技です。グループに分かれて近くの村に行き、出産したばかりの女性へ家庭訪問をします。

保健局の医者と看護師の指導のもと、参加者全員が家庭訪問の実演をしました。
母子保健ボランティアが、フリップチャートの教材を利用しながらわかりやすく説明しています。


最後は、参加者13人の母子保健ボランティアへ救急箱、教材、バッグを贈り、トレーニングは終了しました。

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タッコン郡3回目の助産師卒後教育の実施
ミャンマーの助産師は高等教育修了後、助産師学校で2年間の専門教育を受けた後、政府職員として採用され、村の一次医療施設のサブセンターに配属されます。
しかし、助産師学校を卒業してから、政府職員として採用されるまで、待機期間があることが現状です。
また、助産師として配属された後も定期的なトレーニングを受ける機会にあまり恵まれていません。
そのためPHJでは、2017年から活動地であるタッコン郡の助産師を対象に、郡保健局のスタッフを講師に迎えて定期的にトレーニングを行っています。
今回が3回目となるトレーニングでは、妊婦健診・分娩介助・産後検診・家族計画などの基礎的な知識や技術の他に、産後出血時の対応や新生児蘇生法などの緊急時の対応も学びました。
助産師から、講義よりも実演や模型を使った練習の方が身に着くという意見があったことから、トレーニングは講義と演習とを約半分ずつの構成とし、5日間実施しました。


講師に質問したり、休み時間にも練習したりと参加者の熱心な様子が見られました。
今回トレーニングに参加した、カンターサブセンター助産師のメイジントゥンさんの感想です。
「2016年に他の地域で緊急産科ケアのトレーニングを受けてから、この地域に異動になり、この地域(タッコン郡)で初めて母子保健のトレーニングを受けました。
トレーニングでは、パルトグラム(分娩経過表)の書き方を学ぶことによって、自分のミスに気が付くことができました。」

PHJは、助産師が適切な技術や知識を維持・向上することで、多くの母と子の健康に寄与できることを望んでいます。

※この活動は八神製作所様、日本NGO連携無償資金協力のご支援の元、実施しています。
インターンの紹介とカンボジアもぐもぐお話し会開催報告
インターン紹介と運営委員会開催報告
フードデモンストレーション(離乳食の調理実習)を実施しました。
5月下旬にクポッタゴン区のプレック・トゥク村でフードデモンストレーションを行いました。
村の母子保健ボランティアの自宅をお借りして、乳児を持つお母さんたちを対象に栄養のある離乳食のお粥の調理実習をしました。


PHJスタッフと母子保健ボランティアの指示のもと、お母さんたちが調理に参加しました。



離乳食のお粥完成です。
お米のほか、緑野菜、カボチャ、サツマイモ、魚、卵、豆腐など、栄養価の高いものが入っています。

子供たちのほとんどがお代わりをしました。


参加者全員で試食しました。大人にも好評な味でした。

最後に、PHJスタッフが乳児に必要な栄養に関する講義をしてフードデモンストレーションは終了しました。
今まで栄養のあるお粥を作りたいと思っていたけれど作り方を知らず、今回の実習で学べてよかったとお母さん達から感謝の声をいただきました。

保健ボランティア向けに母子保健の研修を実施しました
5月上旬の2日間で、ピアムゴッスナー保健センターにて保健ボランティア(VHSG)向けに母子保健の研修を実施しました。保健センターの看護師と助産師がファシリテーターとして妊婦管理、産後ケア、出産間隔、予防接種、衛生について講義しました。
ピアムゴッスナーの保健ボランティア18人中15人が参加しました。風も扇風機もない猛暑日でしたが、保健ボランティア達は辛抱強く暑さに耐えながら最後まで研修を受けていました。
看護師、助産師とPHJスタッフで研修前の段取りと教材についての説明をしている様子。

猛暑の中、保健ボランティアが集まってくれました。

チェイフール看護師はたまにジョークを混ぜながら講義し、和気あいあいとした雰囲気で研修が行われました。

予防接種の講義。

セング助産師による出産間隔の講義。

研修の最後に、PHJが作成した保健に関する冊子を一村に一部贈呈しました。

政府職員と事業モニタリング評価ワークショップを開催しました
毎年、年に1回、政府の関係者を招き、ワークショップ(会議)を開催しています。この会議ではPHJの活動の結果や成果を共有し、ノウハウが受け継がれることを目的としています。
今年度は2019年5月14日にミャンマー保健省、ネピドー公衆衛生局、タッコン郡保健局から関係者が集まり、開催されました。

前半はプロジェクトの進捗状況を説明し、後半はプロジェクトや活動指標の達成度を共有しました。
プロジェクトの大きな成果として、施設分娩(病院や村にある一次医療施設での出産)率が上昇していること、そして、ある地域では自宅分娩がゼロになったことが挙げられました。
達成要因としては、①村での母子保健教育で助産師が定期的に施設分娩の利点について説明していること、②村長が協力的で、育成した村のボランティアである母子保健推進員と共に、母子の安全のため施設分娩を推奨していること、③道が整備されたことが考えられました。
ネピドー公衆衛生局からはPHJのプロジェクトはとても効果的であるとの言葉を頂きました。
プロジェクトは2020年10月に終了予定です。次回のワークショップではプロジェクトのハンドオーバー(譲渡)に向けて準備しつつ、プロジェクト終了後も、現地の人たちが自分たちで活動を継続できるよう支援していきます。

小児統合疾患管理トレーニングの実施
インターンさん卒業しました。
施設整備モニタリング~医療施設内の衛生・整理状況の管理に向けて~
PHJはタッコン郡保健局スタッフと共に、村のサブセンター(一次医療施設)の衛生状況、器材や医薬品の整理状況の定期的なモニタリングを行っています。
この活動の目的は、PHJが支援した施設や供与した器材が適切に維持・管理されているかを確認すること、またPHJのプロジェクトが終了した後も、現地の人たちだけで適切な管理ができることを目指しています。
私たちの活動地であるタッコン郡では村のサブセンターに配属されている助産師や公衆衛生スーパーバイザーが施設の環境整備に務める役割があり、タッコン郡保健局が管理監督の役割を担っています。日本の医療施設では毎日清掃をし、衛生的に保つのが当然のことですが、ミャンマーでは清掃員がいなかったり、衛生的概念の違いなどから、適切に維持・管理することが難しい状況にあります。

この活動が始まってから、清掃予定表を作成し、助産師が定期的に掃除するようになったり、供与した器材も適切に管理・維持できるようになってきました。
そして、管理監督しているタッコン郡保健局のスタッフもどこをチェックすればいいのか、モニタリングに慣れてきたようです。また、タッコン郡保健局の提案で、このモニタリングの際に、助産師の記録類の確認も行うようになりました。

モニタリングが定着し、現在ではタッコン郡保健局を監督しているネピド―公衆衛生局にもこの活動が評価されるようになりました。
今後は、プロジェクト終了後もモニタリングが定着するよう、モニタリング役の育成にも取り組んで行きます。




