保健センターまでの道のり

保健サービスへのアクセスの改善は、PHJの取り組みにおける大きな課題。
「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」
ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)を達成するには
物理的アクセス、経済的アクセス、社会慣習的アクセスの3つのアクセスの改善と、提供されるサービスの質が高まることが重要です。
今回はPHJの事業地における
物理的アクセスの困難さの一例をご紹介します。
カンボジアは現在雨季。
写真は今月撮影した農村地の道路。ほぼ川のような状況です。

村から医療施設である保健センターまで車で1時間半かかるとのこと。

4輪駆動の車でなければ渡れない、そんな箇所も多々あります。


村に住む人のほとんどは車は持っておらず、バイクで移動します。
この悪路を越えて保健センターに行く、というのは困難なのだと改めて感じます。
そしてたどり着いた先で適切なケアが受けられなければ意味がありません。

私たちが新しい医療施設を設置したり、医療者を配置することは困難ですが、
いざというときのコミュニティの連携・協力体制づくりを支援したり、
このような農村地域でのよりよい保健サービスを提供できるように支援します。

10/19日開催!「カンボジアとミャンマーの母と子の命を守るためにできること」

\10/19開催!「カンボジアとミャンマーの母と子の命を守るためにできること」/
PHJオンライン活動報告会特別公開

カンボジアは日本の54倍。ミャンマーは日本の44倍。*
これは女性が妊娠・出産を起因として命を落とす「妊産婦死亡率」の最新データ(世界子供白書2023)による比較です。

カンボジアやミャンマーでは過去の内戦や政治体制などさまざまな要因で、保健医療の環境や人材が十分に整っていません。
特に農村部では自宅出産が多く、難産や多量出血など不測の事態に対応できず、 お母さん、そして生まれてくる赤ちゃんも命を落とす可能性が高まります。
ピープルズ・ホープ・ジャパン(PHJ)は、こうした課題を解決するため、母子の保健サービスのアクセス改善や、医療人材の能力向上、地域住民の保健教育活動を行っています。
そしてPHJの活動を応援してくださるREADYFORマンスリーサポーターを対象としたオンライン活動報告会を、今回特別に一般公開します。

(アジアの母と子の命を守る|PHJサポーター募集!:https://readyfor.jp/projects/phjs
多くの皆様にカンボジアやミャンマーの母子保健の現状や必要な支援について知っていただく機会となれば幸いです。

●お申込みはこちら:https://forms.gle/spM95RjWV3nNas4GA
※お申込み〆切は10月16日まで
皆さまのご参加をお待ちしております。
▼イベント概要・お申込み

【タイトル】PHJオンライン活動報告会~カンボジアとミャンマーの母と子の命を守るためにできること~
【イベント概要】
1、ご挨拶、団体紹介
2、PHJカンボジア事業報告(スピーカー>石山加奈子:PHJカンボジア事務所長)
3、PHJミャンマー事業報告(スピーカー>藤野康之:PHJ代表、PHJミャンマー事業担当)
質疑応答の時間も設けております。

【日時】2023年10月19日(木)19:00~20:00

【開催方法】オンライン(zoom)※お申込みいただいた方に参加用URLをお送り致します。

【参加費】無料
※ご支援者以外の一般の方にアーカイブ配信は現在予定しておりません。

●お申込みはこちら:https://forms.gle/spM95RjWV3nNas4GA
※お申込み〆切は10月16日まで

有効な保健ボランティア会議のために

保健ボランティア会議は、保健センタースタッフと保健ボランティアの連携を図る大事な機会です。
村での感染症の流行、妊娠・出産・死亡、住民の健康状態などの情報共有、保健センターや行政からの連絡、地域保健活動の提案・検討などが行われます。
また、地域行政機関・保健センター・保健ボランティア間の意思の疎通をはかると共に、相互の信頼関係を深め、連携の強化を目指しています。
PHJはこの会議の有効性や効率性を高めるために、定期的に観察し、フィードバックを行います。

8月は、対象となる保健センターで開催された保健ボランティア会議に参加しました。

たとえばある保健センターでは、会議の最後に保健ボランティアさんからの質問に答える形で必ず保健知識の復習を行います。
保健ボランティアさんが地域住民に聞かれて困っていることなどを質問し、保健センタースタッフからその場で回答が得られるため、大変有意義に会議が活かされていました。
そもそも会場が自宅から遠いために参加できないというケースもあります。

こうした課題を確認・把握し、よりよい運営に向けたアドバイスや改善策の提案を進めていきます。
【本事業はJICA草の根技術協力事業とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

助産師会議の再開

6月27日と28日の2日間にわたり、ソトニクム保健行政区にて助産師会議(MCAT会議:Midwife Coordination Alliance Team会議)を開催しました。この会議は、助産師を中心とした関係者が、妊娠や出産に関わる課題や状況を共有したり、解決策を模索します。お産の現場に直結する重要な場でありながら様々な理由により開催されていませんでしたが、保健システム強化支援の活動として会議を再開しました。

会議には、シェムリアップ州保健局から2名、シェムリアップ州病院から4名、ソトニクム保健行政区から3名、リファラル病院から4名、保健センターから60名のスタッフが参加しました。

州保健局母子保健部長と保健行政区母子保健部長がファシリテーターとして会議を進行しました。 まず、ファシリテーターと州病院の医師から、分娩後異常出血についての講義が行われました。講義では、その予防と処置について説明されました。また、緊急搬送時にショックパンツを使用することで、出血量を減らし、ショック状態を改善することができることが説明されました。ショックパンツは、脚や腹部に空気を入れて圧迫することで血圧を上げる装置で、その使い方や注意点についても解説がありました。

次に、緊急搬送の現状についての情報共有が行われました。参加者は、自分たちが経験した事例をもとに、緊急搬送時に遭遇した問題や対処法を発表しました。問題として挙げられたのは、搬送先の確保や連絡の不十分、患者や家族の同意や費用負担の問題、交通手段や道路状況の悪さなどでした。対処法として提案されたのは、リファラル病院と連携して搬送先を速やかに確認すること、患者と家族に緊急搬送の必要性や費用負担の方法を説明すること、交通手段や道路状況に応じて最適なルートや時間帯を選択することなどでした。
会議では、参加者が積極的に意見交換を行い、リファラル・システム強化のための具体的なアクションプランも作成しました。

【本事業はJICA草の根技術協力事業とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

シェムリアップ州における新事業の開始に向けて

4月にコンポンチャム州からシェムリアップ州にPHJカンボジア事務所を移転し、
「シェムリアップ州ソトニクム保健行政区における安心安全なお産のための保健システム強化支援事業」を開始しました。
4月末に本事業のキックオフミーティングをシェムリアップ州保健局で開催しました。

州保健局長と州保健局スタッフ、ソトニクム保健行政区長と母子保健担当スタッフ、そして、リファラル病院長と保健行政区の保健センター長など事業の関係者が参加しました。

プロジェクト目標とモニタリング指標、活動内容と実施タイムテーブルを発表した後、
参加者からは研修の参加人数や実施日程に関する質問がありました。
また、各保健センターにおける課題が共有され、具体的な活動内容についての意見交換も行われました。
今後もカウンターパートとのコミュニケーションを図り、連携してプロジェクトを進めていきます。

【本事業はJICA草の根技術協力事業とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

READYFORにてPHJのマンスリー募金を開始!!

【アジアの母と子の命を守る|PHJサポーター募集!のご案内】

2023年5月25日(木)10時から
READYFORにてPHJのマンスリー募金を開始いたします。

アジアの母と子の命を守る|PHJサポーター募集!
https://readyfor.jp/projects/phjs

毎月定額のご寄付をいただくことで、
PHJのアジアの母と子を支える取り組みを将来にわたり、
応援していただけます。ご支援いただいた皆様には年に2回のオンライン報告会を予定しております。
支援対象となる事業地の様子や、ご支援がどのような取り組みに使われているのか、
PHJスタッフが写真などで説明いたします。

☆ご支援の使いみちの例 <1年間ご支援いただいた場合>

●毎月800円(9,600円/年)で:地域住民への保健教育のための保健ボランティア12人への1日の研修を実施できます。(カンボジア)
●毎月3,000円(36,000円/年)で:清潔なお産キットを72人の妊婦さんへ渡すことができます。(ミャンマー)
●毎月5,000円(60,000円/年)で:保健サービス向上のため、保健センタースタッフ4人を対象に5日間の研修が実施できます。(カンボジア)
●毎月10,000円(120,000円/年)で:安心安全なお産のため、補助助産師10人を対象に3日間の再研修を実施できます。(ミャンマー)

【リターンについて】
ご支援いただいているサポーターの方すべてに現場での活動をお伝えしたいという想いから、リターンについては支援金額にかかわらず、同じとさせていただきます。
紙媒体でのご報告以外にも、オンラインによる報告も実施します。現地の状況や取り組みの内容をPHJスタッフが説明いたしますので、ぜひご参加ください。

●リターン一覧
・オンライン報告会(年2回)
・活動レポート(年2回)
・PHJのニュースレター
・アニュアルレポート
・オリジナルカレンダー
・領収書(年1回)

 

以上です。

ぜひこれを機会にご支援をご検討いただければと思います。

6月2日(金)カンボジア新事業の紹介&英語講座のイベント(ハイブリット形式)

6月2日(金)18時半~「世界遺産のそばで取り残される母子の健康&駐在員が教える国際協力のための英語講座」

世界遺産アンコールワットが有名なカンボジア シェムリアップ州。世界中から観光客が訪れるため賑やかな都市のイメージがありますが、発展しているのは州都のみ。農村地域との格差は大きく、妊婦や産後の女性の保健において課題を抱えています。

ピープルズ・ホープ・ジャパンは、こうした課題を解決するために、JICA草の根技術協力事業「シェムリアップ州ソトニクム保健行政区における安心安全なお産のための保健システム強化支援事業」を2023 年4月に開始しました。なぜカンボジアのシェムリアップ州で母子保健改善活動を行うのか、といった事業の背景と、今後の取り組みについて、皆様にお伝えするべくハイブリット形式のイベントを開催しPHJカンボジア事務所長の石山加奈子がお話します。

後半は国際協力の現場で使える英語講座を開催(対面のみとなります)。発展途上国のカウンターパートと支援活動を円滑に進めるために、好印象を与え、信頼してもらうための英語のフレーズを国際協力分野での実務経験が長い石山がご紹介。学校では教わらない実践的な表現が、現在、あるいはこれから、世界を舞台に活躍するあなたの即戦力となります。

◆日時:2023年6月2日(金)18時30分~20時00分 (18時15分開場)
◆実施方法:会場での対面とオンラインでのハイブリッド形式
(※オンラインでの参加は前半のみとなります)
◆会場:JICA地球ひろば セミナールーム202B
〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5(JICA市ヶ谷ビル内)
https://www.jica.go.jp/hiroba/about/map/index.html

◆ 参加費:無料
◆お申込方法:ご参加を希望される方は、以下のお申込フォームで事前にお申込みください。
【お申込みフォーム】
※ 対面参加は定員が20名となります。オンラインでの参加の方は、お申込み受付後、当日のZoomのURLを事前にお知らせします。
◆お申込み締切:5月31日(水)正午(日本時間)まで
◆イベント概要
1部:世界遺産のそばで取り残される母子の健康 18:30~19:10(ハイブリット)
>カンボジアでのPHJのJICA草の根技術協力事業の紹介
2部:駐在員が教える国際協力のための英語講座19:20~20:00(対面のみ)
>カウンターパートとの話し合いで使える英語の秘訣

◆登壇者紹介
登壇者:石山加奈子
PHJカンボジア事務所長(JICA草の根技術協力事業プロジェクトマネージャー)
国際保健修士、戦争紛争安全管理修士、イスラム教と中東政治修士、外交修士。
アフリカ、アジアでの人権や保健分野における国際協力活動に従事。2019年にPHJ入職。

【お問い合わせ】

特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン 東京本部

メールアドレス: info@ph-japan.org

アカウンタビリティ・セルフチェック(ASC)2021を実施しました

アカウンタビリティ・セルフチェック(ASC)2021は国際協力NGOセンター(JANIC)が提供する診断ツールで、
日本のNGO/CSOが市民や社会から信頼される組織として発展するための取り組みのひとつです。
ピープルズ・ホープ・ジャパンは、このアカウンタビリティ・セルフチェック(ASC)2021
を2023 年 2 月 3 日にJANIC職員の立ち合いのもとに実施し、ASCマーク2021マークを取得しました。

JANICのウェブサイトにも掲載されています。https://www.janic.org/blog/2023/03/30/0912/

活動の持続性と自立のために

2019年10月に開始した「子どものケア支援ネットワーク強化事業」は本年3月末に完了しました。

PHJの支間が終了した後も、活動を継続していくための会議が保健行政区にて3月半ばに開催されました。
会議には、保健行政区から5人、リファラル病院から3人、そして4つの保健センターから8人が参加しました。
これまでの活動を振り返り、成果を確認した後、子どもの健康な成長発達が促進される環境を維持するうえでの改善策や工夫について話し合われました。

保健センターの24 時間サービスの確立・提供、保健センターの利用促進、村での保健教育の継続を実現していくため、
地域行政当局と保健センター、保健センターとコミュニティや保健/母子保健ボランティア間の連携や協力関係の強化、そして、コミュニティとのネットワークは、
今後も強化していく取り組みとなりました。
これらの取り組みは保健行政区が中心となって今後も地域の健康を守るためにけん引していくこととなります。


【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しました。】


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