家庭訪問で一人ひとりに寄り添った母子保健教育を

母と子の健康改善のために、母子保健ボランティアさんによる保健教育を支援しています。

地域住民を対象にした集団による保健教育とともに、
彼女たちは戸別に家庭を訪問して、妊婦さんや産後のお母さんだけでなく、家族も一緒に母子保健教育を行います。
一人ひとりの健康状態を確認し、妊娠・出産・子育ての悩みや不安の相談に応え、必要に応じて保健センターに紹介します。
個々の状況を理解しながら、一人ひとりに寄り添った保健教育活動を行います。


以前にもお伝えした妊産婦の健康を害する恐れのある風習についても、家庭訪問で妊産婦だけでなく家族にもお話しをすることで、健康に対する家族の理解も進み、意識や行動の変化が起こりやすくなっています。

また一つのご家庭にご近所の母子に来てもらって保健教育を実施することもあります。ご近所のお母さん同士のつながりも大切ですね。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

3月28日開催:国際保健ワークショップ「データからは見えないカンボジア母子保健のリアル」

保健医療分野における国際協力や途上国に関心のある「学生」を対象にしたイベントを開催いたします。
学生同士の少人数グループワークを通して、現地の人に寄り添う国際協力のカタチを一緒に考えてみませんか。
本イベントでは、途上国の母子のエピソードやNGO・NPOの支援活動を知っていただき、国際協力に関する学びや気づきを深めていくワークショップを用意しています。

専門知識などは全く必要ありませんので、ぜひお気軽にご参加してください★
共通の興味関心を持つ学生同士の交流の場としてもイベントをお楽しみいただければと思います。

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「データからは見えないカンボジア母子保健のリアル
~人に寄り添うことで見えてくる国際協力のカタチ~」

【日時】 2023年3月28日(火)13:45~16:15 (13:30開場)
【対象】 学生 (大学生・短大生・専門学校生)
【参加者数】 最大24名 (4名以上で開催)
【開催方法】 対面による参加方式 (少人数によるグループワークあり)
【開催場所】 武蔵野市「かたらいの道市民スペース」第1&2会議室
住所: 東京都武蔵野市中町1-11-16
アクセス: https://www.musashino.or.jp/katarai/index.html
【参加費】 無料
【申し込み】 事前に申し込みが必要です。こちらからお申込みください。
(申込〆切:3月27日まで)
https://forms.gle/znLv3KxtBB9k6NNj9

※お申し込み受付は先着順とし、24名になり次第、締め切らせて頂きます。
参加者確定後、参加者にはイベント前日にご案内メールを差し上げます。

【プログラム】
(司会:PHJ東京本部インターン)
13:30~13:40 開場・受付開始
13:45~14:05 アイスブレイク
14:05~14:20  途上国母子保健のデータ説明
14:20~15:00  ワークショップ①「母子保健のリアルを学ぼう!」
15:00~15:10  休憩
15:10~15:50  ワークショップ②「具体的な支援のありかたを考えてみよう!」
15:50~16:10  スタッフインタビュー
16:10~16:15  まとめ

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「国際協力NPOって途上国でどんな支援活動をしているんだろう?」
「そもそも国際協力ってなぜ必要なんだろう…」
「将来の進路選択のひとつとして『国際協力NPO』ってどう?」
こんな疑問をお持ちの学生、現在学んでいることと国際協力の繋がりを深めたい学生、途上国の母子保健の現状を知りたい学生などにオススメです。(※保健医療の専門的な知識は必要ありません。)

【お問い合わせ】
特定非営利活動法人ピープルズ・ホープ・ジャパン 東京本部
メールアドレス:info@ph-japan.org

成田コスモポリタンロータリークラブ様の現地視察

2月20日と21日、成田コスモポリタンロータリークラブ様が、現地視察のためにカンボジア・コンポンチャム州の事業地を訪問しました。「地方農村遠隔地における感染症予防プロジェクト」を支援してくださっています。

同クラブは、コンポンチャム州の保健医療の分野にPHJを通して10年にわたり支援をしてくださっています。長年の支援への感謝の気持ちを込めて、事業地のパートナーであるストゥントロン保健行政区で寄贈式を行いました。

長年のご支援に感謝する記念プレートの授与

農村地の衛生キャンペーンにはクラブの方も参加し、保健センタースタッフが行う手洗い指導のデモンストレーションも行っていただきました。

健康に暮らしていくための衛生に関する基礎知識を受けることができました。

石鹸やタオル、洗剤などの衛生グッズを配布しました。

このようなPHJの地域レベルでの草の根の活動に参加していただき、
寄付が活かされている現場の実情や取り組みを体験を通して知っていただく機会となりました。

子どもの健康状況のきめ細かな評価と把握のために

保健センター(医療施設)では、一人ひとりの子どもの健診結果を記録簿に記入し、管理しています。
記録簿をみれば、成長、発達の様子を経過とともに把握でき、より適切な指導やケアにつながります。

健診の様子
乳幼児健診の記録簿

この健診情報の記録簿の仕様はカンボジア国内で統一されていますが、最近、仕様が変更しました。変更点は乳幼児の栄養状態を評価する項目が追加されたこと。子どもの健診時に栄養状態を確認することで、栄養不良の予防や栄養状態の改善に役立てることができます。

コンポンチャム州の保健局の要請で、PHJの支援を通して医療者向けに新仕様の記録簿の解説と書き方に研修が1月末に開催しました。保健省のスタッフが講師となり、州保健局、ストゥントロン保健行政区、保健センター、地方病院のスタッフが研修を受けました。

新仕様の記録簿の研修


地道な研修ですが、乳幼児の健康状態の改善に向けた大きな一歩と言えます。
【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

風習に対する考え方や行動を改善するには

コンポンチャム州の事業地には妊産婦の健康を害する恐れのある風習が残っていました。
たとえば、ベッドの下に火をおこした炭を置いて母子を温める、冷えるときに妊産婦に飲酒をさせる、など。
保健センターにもこうした風習を改善するための啓発ポスターが貼ってあります。

PHJが進めている保健教育でもこうした風習に対する考え方を見直すように地域住民に求めています。しかし風習は地域に定着しているため、行動を改善するには時間がかかります。
そこで鍵となるのが、PHJが育成した母子保健ボランティアさんによる保健教育です。彼女たちは戸別に家庭を訪問し、妊産婦を含めた家族を対象に母子保健教育を行います。

はじめは風習が健康を害する可能性を説明しても家庭によっては聞き入れてもらえないこともありましたが、彼女たち母子保健ボランティアが継続的に訪問することで、意識や行動が良い方向に変化しています。

PHJの事業期間は残りわずかとなりますが、コミュニティの健康改善に寄与する母子保健教育が継続されるよう、母子保健ボランティアの自立支援を進めてまいります。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

業務の改善につながる保健センタースタッフの会議とは

保健センターでは月に一度会議を開き、提供するサービスや勤怠に関する問題点を共有し、改善に向けた話し合いが行われます。
会議では来院状況や勤怠といったセンター内の情報だけでなく、地域住民の健康状況や保健センターに対する意見などもこの場で共有されます。

以前は会議でスタッフが発言しない傾向にありましたが、最近では発言が増え、改善に向けた話し合いができるようになっているため、会議を重ねることでよい変化が生まれています。

たとえば、保健センターのワクチン担当のスタッフが、センター内のワクチンが欠品し保健行政区に相談しても供給が間に合わないという状況を
共有したところ、保健センター長が近隣の保健センターに連絡し、ワクチンを供与してもらうことができました。

また、夜に出産することになったときに保健センターに助産師がいるかわからず不安、という妊婦さんからの声で、
助産師さんの夜勤が強化された例もあります。

会議でのコミュニケーションが、地域の保健状況を改善する一つのカギとなっています。
【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

健康を守る情報共有の仕組みづくり

保健センターにて、保健ボランティアと母子保健ボランティアの合同会議が行われました。

互いに支え合うコミュニティを目指して、村での情報共有の仕組みづくりとその実践について話し合いが行われました。
カンボジアの農村地でも多くの地域住民がスマートフォンを手にしています。

情報共有の方法としては、Facebook やLINE、テレグラムといった多くの人が利用しているSNS を活用していくことが確認されたました。

一方でスマートフォンを所持していない家庭や、雨期や遠隔地で円滑な共有ができない状況などの問題やその場合の対応について多くの参加者から意見が出て、有意義な会議となりました。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

新たに考案した離乳食の調理実習と実食

事業地内の村で実施している保健教育。講義のあとはクイズを行うなどして知識の定着化を図っています。

5月の保健教育では保健や栄養に関する講義だけでなく調理実習も実施しました。 PHJカンボジア事務所で考案したレシピ
を活用して、栄養豊富なおかゆの離乳食を作りました。

ポイントは事業地内の畑の作物や市場など、身近で手に入りやすい食材を使うこと。また、作る手間を感じさせないよう離乳食と大人用の食事を同時に作れるよう工夫されています。



出来上がった離乳食を試食。赤ちゃんや子どもたちにも好評です。


【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】


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