身体測定と栄養教育の研修

11月20日から21日にコンポンチャム州ストゥントロン保健行政区で医療スタッフに向けた身体測定と栄養教育の研修(GMPワークショップ)が行われました。
この研修にはストゥントロン保健行政区から2名とストゥントロン保健行政区内の全12保健センタースタッフの23名が参加し、コンポンチャム州保健局の研修責任者が講義を行いました。

身体測定の実習

子どもの健康的な発育のために、子どもとお母さんなどの養育者が定期的に保健センターを訪問し、身体測定や栄養に関する指導といった小児ケアを受けることが重要です。
研修では、母子に保健センターを訪問するように促すこと、そして乳幼児の身長や体重を正確に測定すること。さらに身体測定だけでなく、栄養価の高い食事を子どもが摂取できるよう具体的な食材を指導することなどが講義に盛り込まれました。
スキルや知識の講習だけでなく母子に保健センターを訪問してもらうために、保健センタースタッフの母子に対して親切かつ相談しやすい態度で接すること、といったホスピタリティの教育もなされました。

子供の栄養と成長に関する説明

 

イエローカード記録(身体測定記録)の結果をもとにした栄養教育のロールプレイ実習
研修後の振り返り。講義を受けた内容を改めて書き出しています

2日間と比較的に長い研修でしたが、途中にはゲームを交えた振り返りの時間もあり、効果的に研修が進められ、最初から最後まで参加者は皆、熱心に講義を受けていました。

参加者からのアンケートには、ファシリテーターの説明が大変分かりやすかったという声がたくさんありました。
「この研修(GMPワークショップ)は、他のスタッフも参加して知識やスキルを身に付けたほうが良い。保健センター全員でGMPの重要性を共有することが大切だ。」という前向きな意見も出たほど、充実した講義となりました。

保健ボランティア向け追加研修の実施

10月9日から11日の3日間、母子保健ボランティアのための追加研修を行いました。
最近新しくリクルートされたクポッタゴン区とビアムコスナー区の母子保健ボランティアに加えて、6月・7月の研修に参加できなかったボランティア、計11人が参加しました。

ビアムコスナー保健センターの助産師が講師を務めました。写真は、産後ケアについて講義をしているところです。
皆、とても真剣に講義を聞いています。

3日目には家庭訪問の実習をしました。5歳以下の子供を持つ保護者を訪ねました。

3日間の研修終了後、保健ボランティアにバッグと救急箱を贈呈しました。

研修を終えた保健ボランティア、保健センタースタッフ、PHJスタッフで記念撮影です。

カンボジア事業の日本NGO連携無償資金協力の署名式典が行われました

10月4日(金)に、令和元年度日本NGO連携無償資金協力署名式典が行われました。
同式典では、三上正裕駐カンボジア特命全権大使とPHJカンボジアの神崎所長との間で
「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業(第1年次)」について贈与契約書に署名を行いました。

「コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業」では、5歳未満児の予防可能な疾病及び死亡の削減および子どもの健康な成長発達の促進を目指し、地域住民の健康増進や疾病予防に対する関心の向上、各家庭での行動変化を促します。
そのため、保健センタースタッフと地域の保健ボランティア間の情報共有や緊急時の保健センターへの搬送などの支援ネットワークを強化し、
各村での5歳未満児の子どもを持つ養育者への栄養・衛生教育の実施に取り組みます。

事業の進捗は活動レポート等で皆様にご報告していきます!

ボランティアさんに自転車を寄贈

ストゥントロン保健行政区長主催による「保健ボランティア並びに母子保健ボランティアへの自転車(109台)贈呈式典」が、郡長であるトゥン・ネット氏を迎えて開催されました。保健ボランティア・母子保健ボランティアは猛暑や大雨の中でも村びとの健康のために精力的に活動を行っています。公共交通機関が十分発達していない当地のボランティア達にとって、活動のための移動手段確保が予てより課題になっていました。PHJではこれを解決するためにボランティア達に自転車を109台贈呈することにしました。

式典は8月14日7時半からストゥントロン保健行政区で、PHJが活動を行っている4つの区の保健センター長、そして保健ボランティア・母子保健ボランティア100名以上が出席して行われました。

郡長はスピーチの中でPHJの貢献に対して感謝の意を表し、これからもPHJの活動に協力することを約束してくれました。

保健行政区長はスピーチの中で自転車贈呈だけでなく、保健センターやボランティア達に対する日ごろのPHJによるテクニカルサポート面の貢献も賞賛してくれました。また、ボランティア達には自転車を大切に使いよくメンテナンスすること、そして自転車を使ってよりコミュニティーに貢献することを期待すると話されました。
ボランティア達は区毎に、一人ひとり順番に自転車を受け取りました。
たくさんのボランティア達が笑顔で帰っていきました。
PHJはこれからも保健ボランティアと母子保健ボランティア達の活躍を応援していきます。

カンボジア コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業

カンボジア コンポンチャム州子どものケア支援ネットワーク強化事業
(期間:2018~ 対象地域:コンポンチャム州)

PHJはコンポンチャム州で2014 年から妊娠・出産・産後期を中心に保健センターでの母子保健サービスを強化し利用増を促進する活動を実施してきました。しかし、村での活動を実施する中で5 歳未満の子供の健康問題が顕在化。男女ともに完全母乳育児期が終わり、離乳食が始まる6 ヶ月を境に低栄養の割合が増加し、特に1歳から2 歳未満の男児では低体重26.0%、低身長19.5% でした*。「低栄養」は子どもたちが病気にかかるリスクを高めるだけでなく、成長に及ぼす負の影響は生涯に渡り続くといわれています。
*岩本、他、「カンボジア国コンポンチャム州における子どもの慢性低栄養の男女差」、2016

活動内容

本事業は、保健センタースタッフと村のボランティアが支援ネットワークを形成し、地域の子どものケアに関する知識普及や実践促進を行うことにより、5 歳未満児の予防可能な死亡を削減しつつ、健康な成長発達が促進されることを目的とします。子どもの栄養改善など健康増進や疾病予防に対する地域住民の関心を高めて家庭でのケア実践の増進を狙いとしています。
保健センターでの予防接種、成長モニタリングなどの健診や小児疾病管理の保健サービスを提供できる体制づくりをコミュニティの参画のもとに推進します。

活動レポート

2018/7/26
2018/6/27
2018/4/26
2018/3/29

母子保健ボランティア 産後検診啓蒙のためのトレーニング

現在、PHJカンボジアでは2歳以下の子どもの健康を支えるためのネットワークづくりをしていますが、この事業のなかで母子保健ボランティアは村の妊産婦を直接支援する役割を果たします。
活動の中でも目標とされている家庭での子供の健康に関する知識や意識を高めるためにはなくてはならない存在で、妊婦健診や産後検診といった産前産後のケアの啓蒙や栄養教育といった活動の核になります。
7月はじめの4日間、ピアムゴッスナー母子保健ボランティアの第2回初期トレーニングを開催しました。今回のトレーニングは、6月末に行った第1回初期トレーニング「妊婦健診サービスについて」の続きです。
「産後検診サービスについて」が今回のトレーニング内容で、13人の母子保健ボランティアが参加しました。
比較的大人数だったので、会場として保健センター近くの学校の教室をお借りしました。
学校の校長先生は活動にとても理解を示してくれ、快く教室を貸してくれました。
ファシリテーターとして保健局の医者と看護師が参加しました。

産後検診の大切さについての講義、新生児と母親の健康状態の評価方法、体温計の使い方、家庭訪問の仕方などが主なトレーニング内容でした。

最終日は実技です。グループに分かれて近くの村に行き、出産したばかりの女性へ家庭訪問をします。

保健局の医者と看護師の指導のもと、参加者全員が家庭訪問の実演をしました。
母子保健ボランティアが、フリップチャートの教材を利用しながらわかりやすく説明しています。


最後は、参加者13人の母子保健ボランティアへ救急箱、教材、バッグを贈り、トレーニングは終了しました。

フードデモンストレーション(離乳食の調理実習)を実施しました。

5月下旬にクポッタゴン区のプレック・トゥク村でフードデモンストレーションを行いました。
村の母子保健ボランティアの自宅をお借りして、乳児を持つお母さんたちを対象に栄養のある離乳食のお粥の調理実習をしました。


PHJスタッフと母子保健ボランティアの指示のもと、お母さんたちが調理に参加しました。

お粥を待つ子供たち

離乳食のお粥完成です。
お米のほか、緑野菜、カボチャ、サツマイモ、魚、卵、豆腐など、栄養価の高いものが入っています。

子供たちのほとんどがお代わりをしました。


参加者全員で試食しました。大人にも好評な味でした。

最後に、PHJスタッフが乳児に必要な栄養に関する講義をしてフードデモンストレーションは終了しました。
今まで栄養のあるお粥を作りたいと思っていたけれど作り方を知らず、今回の実習で学べてよかったとお母さん達から感謝の声をいただきました。

保健ボランティア向けに母子保健の研修を実施しました

5月上旬の2日間で、ピアムゴッスナー保健センターにて保健ボランティア(VHSG)向けに母子保健の研修を実施しました。保健センターの看護師と助産師がファシリテーターとして妊婦管理、産後ケア、出産間隔、予防接種、衛生について講義しました。
ピアムゴッスナーの保健ボランティア18人中15人が参加しました。風も扇風機もない猛暑日でしたが、保健ボランティア達は辛抱強く暑さに耐えながら最後まで研修を受けていました。
看護師、助産師とPHJスタッフで研修前の段取りと教材についての説明をしている様子。

猛暑の中、保健ボランティアが集まってくれました。

チェイフール看護師はたまにジョークを混ぜながら講義し、和気あいあいとした雰囲気で研修が行われました。

予防接種の講義。

セング助産師による出産間隔の講義。

研修の最後に、PHJが作成した保健に関する冊子を一村に一部贈呈しました。

小児統合疾患管理トレーニングの実施

保健センターの小児保健診療サービスの向上のため、3月下旬の5日間で小児統合疾患管理トレーニングを実施しました。
保健省スタッフによる講義が行われました。

小児疾病統合管理という小児ケアの方法論とチェックリストの使い方を講義のなかで教えています。

その後トレーニングの演習を実施。
実際に地域の保健センターで診察に訪れた子どもの診察を実施しました。

保健行政区におけるPDCAの理解と定着に向けて

 1月の活動のハイライトは、半年に一度に保健行政区と行うM&E(Monitoring & Evaluation) ワークショップです。
事業管理(Plan Do Check Action: 以下PDCAと省略)について学び、これをもとに、保健行政区の実際の活動を振り返りと評価を行い、保健行政区の管理能力強化を図ることを目的としています。
2015年から定期的に行われてきた本ワークショップ。
しかし、まだまだ、PDCAの考え方に沿って、自分たちの活動を振り返ること、そして、目標達成するには、どうすればいいかについて考えることには慣れていません。
<ワークショップ1週間前>
ワークショップの準備として、保健行政区の母子保健活動計画にもとづいて、“活動のまとめ”を作成するとことから始めます。
そこで事前に“活動をどのようにまとめるか”について話しあいました。

<ワークショップ当日>
PDCAについての復習講義とエクササイズからスタートしました。

その後、保健行政区長による保健行政区の活動のまとめを発表しました。

活動を計画に沿って振り返りその進捗と次の課題について話し合い(評価)を行いました。

過去のワークショップでは、計画したものの評価できるような計画ではなかったので、計画を修正。
しかも評価する指標を設定していなかったため、次に指標を設定。
ところが、指標があってもデータがない・取れなかったため、次は、測定可能な指標を設定し、、とPDCAと長きにわたり格闘してきました。
今年は、計画に沿って、指標となるデータを見ながら、活動の振り返りと評価の話し合いが形になっていたと思います。
次の課題は、評価をもとに次の計画に反映する事。
少しずつですが、着実に、保健行政区がパワーアップしているのを実感できたワークショップでした。
 


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