カンボジアの事業は日本NGO連携無償資金協力を受けており、このたび大使館よりN連保健担当の與那嶺書記官がPHJの活動視察のため活動地を訪問しました。
保健ボランティア会議、母子保健ボランティアの家庭訪問活動、チュックサック地区・ティポー地区で建設したトイレを見学して頂き、プロジェクト完了直前の現在ではどの活動も保健センターやボランティアが主導で活動を実施できている様子をご覧頂きました。
また、視察の後、保健センタースタッフと保健・母子保健ボランティアとのインタビューセッションの時間も設け、PHJの3ヵ年プロジェクトの成果や、自分たちがどう意識が変化したなど話し合いました。また、今回の視察では州保健局母子保健チーフのDr.バトゥにも随伴頂きました。
與那嶺書記官より、「ぜひ活動を持続させるよう期待している」というメッセージが直接伝えられ、Dr.バトゥからも「PHJが育成した母子保健ボランティアのリフレッシュ・トレーニングを州保健局で開催できるようにユニセフからの資金支援をもらえるように交渉したい。保健ボランティアのトレーニングと会議支援を州保健局の予算に組み入れた」などの言葉を聞くことができました。
視察先のタノッチュム保健センターにて記念撮影
(左端から:與那嶺書記官、保健センター長、Dr.バトゥ、保健ボランティア2名、林、助産師、ソルンナ)
チュックサック保健センターでのインタビューセッションの様子
カテゴリー: カンボジア 母子保健改善事業
プロジェクトの完了に向けて
■プロジェクト完了調査
プロジェクトのキーパーソンである保健ボランティア、母子保健ボランティア、伝統的産婆の各グループ対して、プロジェクトがもたらした意識や村の変化や、成果などを聞き出すグループインタビューを実施しました。
「変化]「効果」「持続性」の3つのカテゴリーで質問を準備し、計15項目程度の問いに対してそれぞれのグループが自由に話し合いました。
保健ボランティアのグループインタビューの様子
■保健搬送システムの村会議
運営に課題が残されていたタノッチュム地区Thmei/Bantea Chas村の保健搬送システムにおいて、課題を村全体で話し合う村会議を運営委員会が開きました。
大きな課題としては会員費をきちんと集金できないことだったのですが、運営委員会で何度も話し合い、このような村会議を開いていっぺんに会員費を集金しよう、との結論になりました。
村会議では、保健搬送システムの意義や、会員をきちんと支払うことでシステムの持続性が増すといったようなメッセージが再度伝えられました。
村の運営委員が村人から会員費を集めている様子
衛生推進活動をすすめて
学校保健教育の授業を開始
学校保健では授業計画の骨子も固まり、教材もそろい、いよいよ授業開始。
授業を始める前に模擬授業を行い進行の練習を行いました。
実際の授業では教師が中心となって進行しながら、グループワークやロールプレイゲームでは
保健ボランティアや保健センタースタッフがサポートに入るなど、協力しながら
うまく進行している場面も見られました。
上の写真は、自分の衛生行動を見直し、できていないところはなぜかを話し合って紙に書いています。
上の写真は、先輩や友達からをドラッグをすすめられたら、どのように対処するかを言葉に出して言ってみよう(Noという、大人を呼ぶ等)というロールプレイです。
また小学校5、6年生を対象に性教育も行い、男性、女性の身体的な違いをはじめ、コンドームの使い方など具体的な避妊の方法などを教えました。子供たちもふざけたり、反発したりといった反応も見られず、きちんと教師の話を聞いていたとのこと。このあたりは日本の小学校よりも進んでいる、といった印象を受けました。
スタツアメンバーが衛生教育と母子保健ボランティアの活動に参加!
ティポー保健センターに救急搬送用トゥクトゥクが寄贈されました。
自立して歩き出す4つの保健センター
学校保健教育がいよいよスタート
今年度から学校保健プロジェクトが試験的に始まりました。これまで成人向けに行ってきた保健教育ですが、実際に行動のパターンを変えるには(行動変容)子供のころから教育を施す必要があるということが、認識されてきています。
現在対象となる小学校が2つに絞られ、州保健局と教育局の推薦によりさらに実際の保健教育のトピックスが5つに絞られました。
1:衛生的な生活
2:感染症の知識と予防
3:タバコ・アルコール・ドラッグから身を守る
4:リプロダクティブ・ヘルス ティーンエージャーの妊娠の予防
5:栄養の基礎知識と食生活
さらに学校長や教師、保健センタースタッフ、村の保健ボランティアとともに5つの授業計画書の骨子もできました。(下写真)
これをもとにさらに絵などを用いた授業教材を今後作成する予定です。