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ファッションチャリティ<終了>ご支援ありがとうございました!
【日本】石巻市包括ケアセンターに公用車や医療機器を寄贈
【タイ】HOPEパートナーの患者宅訪問
メニュー本を活用しています
地元の助産師さんたちが考案したメニューをもとにPHJが作成したメニューブック。現地の素材を生かして自宅でも簡単に作れる、栄養バランスに優れたメニューを100品ほど紹介しています。栄誉講習の際に配布し、支援先ではワーガサラ村を除いて配布を完了しました。今後の栄養活動やボランティアの方、助産師さん達にも有効活用してもらえることを期待しています。
豆腐、テンペ、魚など素材別、スナック、フルメニューなど用途別に分けられ、栄養価も表示されている
助産師研修のため日本から専門家を派遣
今月は、保健行政区スタッフの能力強化のための活動、保健施設の機能強化活動、保健人材能力強化(助産師)活動を中心に行いました。その中から保健人材能力強化(助産師)活動について詳しくご紹介します。
助産師研修計画策定のため、過去にJICAの母子保健事業に参加された経験をお持ちの吉野八重先生(北里大学准教授)を日本から招き、ワークショップを開催しました。吉野先生が過去にブラジルで従事された母子保健プロジェクトのDVDを上映した他、助産師のスキルに関する講義を行っていただきました。また、支援対象モデル保健センター、州立トレーニングセンター等を視察いただき、カンボジアの医療の実情を知っていただきました。
当団体スタッフ(写真左側の二人)と共にリファラル病院を
見学される吉野先生(写真右)
助産師研修計画策定ワークショップで研修計画について話し合う様子
トレーニングセンターでの新生児蘇生の演習
演習で使用する助産教材。整理されているが、故障して使用できないものも多い
今回の視察から、吉野先生は、専門家の教育には非常に長い時間と労力を要し、現場の助産師たちが困難に感じている優先度の高い問題にフォーカスしてバックアップ体制を整えていくことが必要との見解を示されました。
高等専門学校6校でピア教育を実施しました
HIV/AIDS予防教育の一環として、タイの高等専門学校6校でピア教育が行われました。同年代のピア(仲間)に対して生徒間同士でレクチャーを行う活動で、616名が教育を受け、知識テストではスコアが74%から教育後には97%にアップする成果が表れました。また、HIV抗体検査では学生51名が受診し、うち3名に陽性反応がみられました。このような結果が出たのは今回が初めてで、その後の検査のフォローアップを引き続き進めていく予定です。今回の結果は、タイの現状とこの事業の重要性を再確認するものとなりました。
選ばれた生徒がエデュケーターとしてレクチャー
コップの水に試薬を入れて、HIVの感染拡大の早さを体験
男女交際について生徒自身でシュミレーションをしてみる
【タイ】出張報告 活動の中間レビュー
住民意識向上活動と助産師の能力把握
今月は住民意識向上活動と助産師能力の把握の二つを紹介します。
■住民意識向上活動
住民意識向上においてキーパーソンとなる保健ボランティアと保健センター管理委員会。
彼らの活動状況や会議の頻度について聞き取りを行いました。
その結果、どの保健センターでも保健ボランティアも保健センター管理委員会もあまり活発に活動している様子はありませんでした。
ただし、保健ボランティアについては、保健センターで定期的に会議等は実施していないものの、
村では様々な手助けをしたり、患者を保健センターに送り届けたりといった活動は実施しているようでした。
またPHJのプロジェクトや目的について保健ボランティア及び保健センター管理委員会メンバーへ説明し、理解を深めてもらうため
保健ボランティア及び保健センター管理委員会に対するプロジェクト説明会を実施しました。
■助産師技術能力の把握
助産師トレーニング計画の策定に向け、支援対象地の保健センターの助産師の助産知識やスキルを知るために、評価を行いました。
対象となる助産師数は18名(准助産師14名、フローティングスタッフ*4名)。
*フローティングスタッフとは、助産師の資格は有していないが、保健センターで出産介助を行うスタッフのこと。助産師の数が足りていないためにフローティングスタッフが存在する。
評価の方法としては、筆記試験及び実技試験を実施しました。
筆記試験については、出産や産後健診に関して。
実技試験については、妊婦健診及び家族計画に関して、助産師が患者に対して診察を行っている様子を観察し、チェックリストを使用して知識やスキルの確認を行いました。
結果としては
筆記試験については、合格ラインに達した人が多かったものの、
実技試験については、合格ラインの点数を獲得した人が1人もいませんでした。
今回の試験により、助産知識については比較的高そうであるが、臨床においては知識やスキルを適切に実践できていない助産師が大多数だということがわかりました。
助産師・TBA(伝統的産婆)の話し合いを開催
PHJでは、医療知識のないTBA(伝統的産婆)の介助による出産は危険だとして、助産師の介助による出産を奨励しています。
PHJの支援開始前、助産師による介助は47%程度でしたが、現在は90%以上になりました。
このように活動の成果は表れていますが、1月の助産所・診療所での出産は56件、病院搬送件数6件、 そして1件だけTBA(伝統的産婆)の介助による出産がありました。
支援地の村では、コストが安いという理由などで 医療知識のないTBAの介助で出産する人もわずかにいます。 そこで伝統的産婆の方々にも 安全なお産への理解を深めてもらうため 助産師との話し合いの場をつくりました。
話し合いの場では、TBAがどのような仕事を担っているか。各村との助産師さんとの関係は構築できているか、といったことを中心に話をしました。
話し合いと調査の結果、ほぼどの村のTBAも一人で出産介助をすることはなく、
助産所に連れて行ったり、付き添ったり、生まれた赤ん坊を沐浴したりといったように、
お産の手伝いをしているようでした。
助産師とも関係が構築されており、仕事内容としては補佐的なものに限られているようです。
全体的には改善されているようなのですが、TBAによる出産がゼロではないので、
今後もTBAとの関係を維持しながら細かな支援が必要だと感じています。