今年最後の栄養メニューコンテストとクッキングデモが行われました。
そもそも栄養メニューコンテストとクッキングデモとは、どういう活動なのかを、説明いたします。
母子の栄養改善のために行われているこの活動は、必要な栄養素をより美味しく摂るために、
栄養メニューコンテストで各村でメニューを開発し、クッキングデモではその名の通り集まったお母さんや子供の前で料理のデモンストレーションをするというもの。
料理が作られていく過程を見て、実際に味わうことで
お母さんたちが各家庭で実践するための後押しをします。
栄養メニューコンテストは、毎回行われる助産師ミーティングで決められるテーマに沿ってそれぞれの村が、腕によりをかけて作ったメニューを持ちより競い合います。カロリー、栄養のバランス・味・見かけ・そして各村のプレゼン等によりポイントが加算され、順位が決められます。

各村の助産師&ボランティアが腕によりをかけてテーマに合わせて作ったメニューを披露します。今回のテーマは豆腐です。それぞれ工夫がされているメニューばかりで見ているだけでお腹がすいてきます。

それぞれ持ち寄ったメニューの説明をプレゼンテーションで紹介していきます。この時に材料、栄養素、そして調理方法の説明を行います。村の助産師とボランティアのプレゼンもなかなか堂々としています。

プサー村の野菜ピザと豆腐ご飯巻ロールが見事に1位に輝き、授賞式も行いました。皆さんとても誇らし気です。
クッキングデモはコンテストの後2か月にわたり各村で行われます。助産師&ボランティア合同でコンテスト用に作った各村のメニューを調理して、村の母子に食べてもらえるとても良い機会です。

ボランティア達が中心となり調理を準備します。それぞれに材料を切ったり、焼いたりあげたりと分担して手際よく進められていきます。

調理を進めながら、村のマイクを使って母子への参加を呼びかけ、集まったお母さん達に助産師が栄養について解説し、その後お母さん達からの質問に答えていきます。

出来上がったメニューをお母さんや子供たちへ配り、その場で試食会が始まります。配布していると、どんどん子供たちが集まってきて大賑わい。野菜たっぷりのピザは子供たちにも大好評で、皆美味しそうに食べていました。この機会により健康的な食生活が送れるよう、お母さん達が自身や子供の栄養について考え知識を深めてもらえればと思います。
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コンポンチャムで村落調査をスタート
10月は支援地であるコンポンチャム州の村落の調査を開始しました。
この調査の目的は、事業計画の詳細を決めるために事業地の
母子保健の現状を知ることです。
すでに事業計画の大枠は決められていますが、
現地の状況に合った詳細な計画を練っていくために、
村落に足を運び、そこに住んでいる人にインタビューを行うというものです。

PHJカンボジアスタッフと臨時の調査員とで2つのチームに分かれインタビューを行いました。

質問内容は保健センターの利用状況や自身の出産に関すること、基本的な保健知識の
有無等です。

6日間の調査で2歳以下の子供を持つ女性180名にインタビューを行いました。

コンポンチャム州での事業スタート
コンポンチャムの事業は市原新所長のもとですすめられています。
左から会計・事務担当のンゴット、プロジェクトオフィサーのサレット、
ナックリー、運転手のリム(10月末まで)市原新所長、中田、です。

事務所も開設しました。
カンボジアでは新しい土地や新しい場所で仕事や生活を始める場合に、
お坊さんに来てもらうのですが、PHJ事務所の開設時にも来ていただきました。

これから進めるプロジェクトの現状把握のために保健行政区の事務所や
保健センター3か所でインタビューを行いました。

保健センターなどでのインタビューで現状と課題を洗い出し、
今後の活動についてワークショップ形式でスタッフと話し合いました。

新所長の元で事業が進んでいます。
【PHJカンボジア】平成26年度日本NGO連携無償資金協力署名式典
PHJカンボジアの「コンポンチャム州母と子のための地域保健システム強化事業」への日本政府からの資金協力が決定し、10月20日に、平成26年度日本NGO連携無償資金協力署名式典が日本大使館の多目的ホールにて執り行われました。
隈丸優次特命全権大使とピープルズ・ホープ・ジャパンの市原和子カンボジア事務所長が「コンポンチャム州母と子のための地域保健システム強化事業」案件の贈与契約書に署名を行いました。
この様子はカンボジアの新聞3社にも取り上げられました。下はThe Khmer Daily Newpaperの記事





就活カフェ第2回 「企業経由で国際協力NGOへGO!」【終了報告】
●開催日時:2014年12月19日(金曜)18時から2時間
●開催場所:JICA地球ひろば
国際協力を仕事にしたいけど、そもそも就活ってどうしたらいいの?NGOってどうやったら入れるの?そんな悩みを抱えている学生の皆様に、今後の進路のための一助として国際協力の現場で働いている方に現在のポジションにいたるまでのストーリーを語っていただく会。今回のテーマは「企業経由で国際協力NGOへGO」。一般企業に就職したあと国際協力の現場で働く、という道を選んだPHJスタッフとPHJカンボジアの所長、3名が話しました。




(左上:真貝祐一 [PHJ東京事務所 海外事業支援グループ] 、右上:横尾勝[PHJ東京事務所 募金グループ]、左下:市原和子 [PHJカンボジア事務所代表]、右下:3人の話のあとは円になって質問タイム )
国際協力NGOに就職するまでの経緯は、多様で、とくにマニュアルがあるわけでもありません。
海外の大学院に行ったり、企業で海外とやりとりをする仕事を経験したり、そうした積み重ねが国際協力への仕事につながる―――そうした事例を実際に経験したPHJスタッフが話すことで、雲をつかむような就活が、より具体性を帯びてきたのではないでしょうか。
後半の質問の時間では、アットホームな雰囲気でみなさん積極的に質問をしてくださいました。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
次回の就活カフェは2015年3月に予定しています。
>>第1回の就活カフェの様子はこちら

2名の看護師が集中講座を受講しました。
小児先天性心臓病手術支援事業では毎年数名の看護師育成を行っています。
過去の活動の様子はこちら
集中講座が8月にバンコクで開かれ、ランパン病院の看護師2名タッサネー・カモンさんとプレヤダ・パピチャヌンさんが受講しました。
下の写真はVSD(ventricular septal defect: 心室中隔欠損)という疾患について講義を受けているところ。当事業で支援している手術でもとても多い症状です。
海外事業支援グループに新スタッフ入りました!
インターン生が活動地を視察-Part2-
東京事務所のインターン生 永山さんの活動地訪問記、第二弾です。
前回は、セラン県ティルタヤサ自治区ススカン村での母子保健教育活動の様子をお伝えしました。
お伝えしきれない部分があったので、「Part2」としてティルタヤサ自治区診療所、栄養クリニック・教育センター、菜園の様子をお伝えします!
ティルタヤサ自治区診療所には救急車が常備されており、優しい女性スタッフが常駐していました。患者さんがいらっしゃらなかったので、お話を聞くことは出来なかったのですが、笑顔が溢れるアットホームな雰囲気から、充実度や信頼度をうかがい知ることが出来ました。

帰り際に、看護師さんからお土産にと、インドネシアではおなじみの果物「LengKeng(レンケン)」をいただきました。ライチのような味がして、甘くてとても美味しいんです!

最後に訪れたのは、栄養クリニック・教育センターとそこに併設されている菜園です。こちらにも助産師さんが駐在しており、必要な医療器具も揃えられているため、妊婦の急な体調の変化にも対応できるようです。

菜園では気候に合わせて、小松菜や白瓜、玉葱など日本でも馴染みのある野菜がたくさん育てられました。

その中に1つ、日本ではあまり見かけない野菜がありました。インドネシア語で「dawm pandang(ダウン パンダン)」と呼ばれています。独特な甘い香りがして、インドネシアではこの葉を入れてご飯を炊いたり、お菓子の香り付けや色付けに使われたりしています。
ビタミンやアミノ酸が豊富で、一説によると「消化不良」「腹痛」「発熱」「糖尿病」「皮膚病」「不妊症」等に効果があるようで、国民にとても親しまれています。
<ダウン・パンダン>
育てた野菜は村人たちが自ら収穫し、平等に分配します。菜園で収穫された野菜を利用して作る「栄養メニューコンテスト」も定期的に実施されており、村のお母さん達も活動に意欲的です。⇒栄養メニューコンテストの様子はこちらから
インターン生が活動地を視察-Part1-
8月12日、インドネシアのセラン県を、東京事務所のインターン生の永山さんが訪問しました。
下記が永山さん自身による視察の報告です。
前日に降った雨の影響で道がさらに悪くなっていて大変でしたが、セラン県中心部より約1時間半で到着しました。
視察させていただいたのは、セラン県ススカン村の地域保健センターとティルタヤサ自治区診療所、栄養クリニック・教育センター、そこに併設されている菜園です。
地域保健センターでは、母子保健教育活動が行われていました。

この保健センターに5年ほど勤めていらっしゃる、助産師のエティ( Eti )さんを中心に、30人ほどのお母さんたちが輪になり、和気あいあいとした雰囲気で活動をしていました。

今回の教育テーマは「妊娠における危険な症状や兆候」。話の内容は、出血や熱や嘔吐、それらへの対応などの基礎知識でしたが、村での出産にたくさんの不安を抱えているお母さんたちからはたくさんの質問が飛び、エティさんがそれら全てに丁寧に答えていました。
エティさん自身も現在7か月の男の子を持つ“先輩ママ”ということもあり、お母さんたちは彼女をとても信頼しているようでした。「相談できる相手は誰ですか?」という質問にも、皆さん口を揃えて「助産師さん!」とおっしゃっていました。
全体での活動が終わると、個別に薬の配布や体調のチェックが行われ、スタッフや助産師さんたちは、個人的な相談にも時間をかけて丁寧にアドバイスしていました。

お母さんたちが積極的に活動に参加していた様子から、村全体の出産や育児に対する意識が高まっているのを感じました。私の「出産は自宅でしますか?」という質問にも、「それは絶対に有り得ません。保健センターで出産します。」と全員が答え、教育活動によって意識が変化していることを実感し、とても嬉しく思いました。

エティさんも「PHJの保健教育にはとても重要な意義を感じています。まだ課題はありますが、実際に保健センターで出産するお母さんが増え、たくさんの子供を取り上げ、たくさんのお母さんを助けることができており、活動の手ごたえを感じています。」と充実した表情を見せてくれました。
文化の違う土地でプロジェクトを実施し、成果を上げるためには大変な努力と時間がかかることを痛感しましたが、それらには人々の意識をも変える力があるということも実感しました。
PHJでのインターンも残り4か月となりましたが、今回の経験を胸に、責任と誇りを持って、楽しく!活動に携わらせていただきたいと思います!
永山 日菜


