保健センター助産師のモニタリングを実施しました。保健行政区内の11保健センターのうち、今月は3モデル施設を含む7施設でモニタリングを実施。各保健センターを訪問し、チェックリストを使用して助産師の母子保健サービス(妊婦健診)に関するスキルを評価した結果、一番低い成果率の村で70%、高い村は87%、8保健センターの平均は79%と高く、全体的にスキルが高いことがうかがえました。
また、6月に病院実習に参加した4名の助産師全員をモニタリングし、3名が平均点以上の結果。病院実習に参加した助産師の方が、参加しなかった助産師よりも必ずしも結果が良い訳ではないという意外な結果も出ました。元々の各助産師の知識・スキルや能力の違いにもよりますが、いずれにせよ病院実習に参加してすぐに結果の出るものではないため、助産師の知識やスキル改善を目指し、引き続きモニタリングを実施していきます。

妊婦の血圧を測る保健センター助産師

妊婦に対して問診を行う保健センター助産師
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ティルタヤサ自治区での活動が終了
2004年より支援を行ってきたティルタヤサ自治区(トゥンダ島を含む14村)での活動が7月末で終了しました。母子保健改善活動、地域医療・保健強化支援、栄養改善活動の面で、サービス向上を目指し活動を進めてきた結果、母子保健改善活動では、下記のような成果が見られました。
医療施設出産率 (%) 2004年以前:0% → 2013年:89.9%
自宅出産率(%) 2004年以前:100% → 2013年:9.8%
助産師介助出産率(%) 2004年以前:46.7% → 2013年:97.7%
伝統的産婆介助出産率(%) 2004年以前:10% → 2013年:1%
9月より今までの活動のノウハウを生かし、伝統的産婆介助出産率の高い新事業地ワリンクルン自治区で活動を展開していく予定です。

助産師による定例講習受ける妊産婦たち

講習後、定期健診を受ける妊産婦
【日本】埼玉大学のカンボジア・スタディツアー実施
【日本】㈱アシスト様を訪問させていただきました
実習形式の助産師トレーニングを開催
6月3日~29日の27日間に亘って、実習形式の助産師トレーニングを開催。4名の保健センター助産師がコンポンチャム州病院にてトレーニングを受けました。
本トレーニングの目的は、普通分娩を一人でも介助できるようになること、危険サインを察知し速やかに病院に搬送できるようになることでした。
助産師育成計画策定会議で合意した内容に基づいて、実習及び講義を実施。一日のスケジュールは、午前に病院で実習を行い、午後は講義を実施し、夜は交替で病院で勤務しながら実習を行いました。
参加した4助産師は皆とても意欲的に学んでおり、トレーニング開始前に実施した事前テストの結果(平均38%)に比べ、トレーニング後に実施した事後テストの結果は平均94%と大きく改善。また、全4助産師が目標としていた普通分娩介助10回をクリアしました。

助産師トレーニングで実習を行う保健センター助産師(中央)とトレーナー

お産で使用する器具の手入れを行う保健センター助産師

助産師トレーニングで講義を受ける4名の保健センター助産師
心臓病手術を受けた1歳児のその後・・・
ナムシップちゃん(ニックネーム)はかわいい女の子でしたが、体重が標準よりもかなり小さい子供でした。11か月の時、心配した両親が地元のクリニックに連れて行ったところ、心臓の鼓動に異常が見つかり、更なる検査のためにプレー病院を紹介されました。そこでの検査の結果、心臓病と診断され、ランパン病院に運ばれた後、2013年8月20日、心臓の手術を受けることができました。

手術から2年が経過し、ナムシップちゃんは3歳になりました。ふだんから食の細い、小さな女の子ですが、家の近くのプレ幼稚園に行く予定です。 とてもはずかしがり屋で見知らぬ人とあまり話をしませんが、お友達と遊んでいるときは、元気いっぱいです。

父親からのメッセージ:2年前に娘が心臓手術を受けた時は、このプロジェクトについてあまり知りませんでしたが、娘の心臓手術費を支援くださったドナー企業、PHJにもとても感謝しています。
中古救急車の寄贈式が行われました
日本から贈られた中古救急車の寄贈式が7月8日、ミャンマーの都市ネピドー市で行われました。式典には、支援先であるタッコン群病院の医院長、ネピドー特別区の関係者、現地の保健省関係者と、PHJ理事の小田、ミャンマー事務所所長の真貝が出席し、小田がスピーチ。救急車搬送から搬送に至るまでの関係者の方々へのお礼と共に、支援地であるタッコン郡の医療活動を支援していくことをお伝えしました。救急車は早速タッコン郡病院に搬送され、支援先の方の健康を守るべく、病院での利用を開始しました。
保健省局長に救急車の鍵を進呈するPHJ小田理事長
保健省、タッコン群、病院等関係者が多数参列して式典が開催
菜園事業の継続・拡大を目指して
今月はすべての活動の評価の為の聞き取り調査を行っている段階です。調査結果は追って報告する予定ですが、講習は全般的にボランティアからも好評で、練習を兼ねて行った母親への講習後にも、既に何人かの母親は紹介されたレシピを元に自宅で調理をしており、子供達に食してもらっている事も確認出来ています。
対象人数の多い調査の為助産師学校の学生さんにも手伝って頂きました
動物被害や害虫被害があちこちで出ていますが、引き続き多くの村で収穫が有り、その都度村内で必要な母子へ配布されている。ポンタレゴン・ススカン・テンクラ・サンパルワディ村以外の菜園は、村のサポートの元でPHJサポート終了後も運営継続が決まっている事が確認出来ています。また半分以上の村で、村のサポートも得られ菜園が継続されることとなり、活動が広まっていくことを願うばかりです。
■菜園活動のモニタリング結果(13村にて実施。一部抜粋)
・栽培中・・・ホウレンソウ、きゅうり、ケール、トマト、キャッサバ、オレンジ等
・水源・・・川3村、井戸3村、個人宅2村、診療所2村、村ホール1村(活動なし2村)
・問題・・・鶏被害、害虫被害

ボランティアの協力のもとに整備された畑。収穫物は村の子供や妊婦のいる家に配布されます
北里大、お茶の水女子大で講義させていただきました
診療所の利用数は増加傾向へ
地域保健システム強化事業の一環として、支援先の村で助産所、診療所の利用を推めています。2015年5月の助産所・診療所の利用状況は、14村全体での助産所利用者数は合計593人。医療施設での出産介助も同様に維持できています。今月は伝統産婆による出産介助例の報告もありませんでした。診療所からの取組みが功を奏しているのか、今後も続くことを期待しています。
今月は、スジュン村にヤンティ助産師が赴任してから待望の出産介助例3件の報告がありました。助産師を他の村より赴任させた試みでしたが、ヤンティ助産師の努力、そしてPHJの働きかけも補助的役割を果たし、地元村民から受入れられていったのだと思います。出産した母親達へのインタビューを今後、実施する予定です。

助産所で妊娠時の栄養についての助産師から指導を熱心に聞き入る妊婦達

助産所で助産師より定期健診を受ける妊婦

助産所で出産し、無事に誕生した赤ちゃんと母親
