国境紛争によるカンボジア国内避難民への支援

2025年7月24日(木)にタイ・カンボジア両国の国境地帯で発生した武力衝突を受け、国境地帯には避難勧告が出されました。
WHOの報告によると、カンボジアの国内避難民は15万人にものぼりました。

PHJの事業地シェムリアップ州にも国境付近から大勢の人々が避難し、事業地内にも複数の避難民キャンプが設置されました。
避難民は地面にテントを張り、厳しい生活を余儀なくされています。

特に規模の大きい約2000人(約650世帯)が滞在する避難民キャンプを視察し、ソトニクム保健行政区の要請に基づいて、生活用水のコンテナ12個を支援しました。

8月に入り、避難民が徐々に帰還していますが、
事業地内には約750人(約200世帯)の人々が残って生活しています。

カンボジア国内の支援により飲料水や食料は提供されているものの、衛生環境の悪化が懸念されています。
この状況を受け、ソトニクム保健行政区の要請に基づき、
PHJは、石鹸、歯ブラシ、歯磨き粉、洗剤が入った衛生キットを231セット寄贈しました。

 

 

遠隔地への訪問支援で妊婦健診を実施

PHJは、保健センタースタッフが遠隔村を訪問して予防接種を行うサービスをサポートしています。(詳しくは2024年12月のレポートへ)

予防接種の機会を活かし、母子保健や衛生、デング熱やマラリアの予防に関する教育や指導も行っています。
今月は対象18村のうちの5村で、訪問支援を行いました。
また助産師が同行しているため、妊婦5人が妊婦健診を受けることができました。

対象地域は山岳地域で道路が未整備で、交通の便も悪く、
保健センターから片道3時間以上かかる村もあるため、
妊娠・出産や健康上に問題を抱えていても、医療施設へ足が向かない、という課題があります。
しかし、訪問支援を継続してきたおかげで、ある男性は
「保健センタースタッフの感じが良かったから、妻が出産するときは保健センターへ連れて行きたい」と話してくれました。

訪問支援サービスは、保健センタースタッフ、保健ボランティア、そして地域コミュニティの協力によって実施しています。
こうした関係の中で信頼が築かれ、地域全体で持続的に健康づくりに取り組むための基盤が強化されています。
【本事業は横河商事株式会社様からのご支援により実施しています。】


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