1月半ばにチェンマイの高等専門学校向けに実施しているエイズ予防教育のレビュー会議が行われ、
6校それぞれのピアエデュケーター代表が、半年間の成果を発表しました。
各学校では映像やパンフレット、歌、漫画などをさまざまなメディアを使ってエイズ予防の
啓発活動をしているその内容を紹介してくれました。
どの学校も短期間で驚くほどクオリティの高いメディアを制作していました。
その後、高等専門学校2校を訪問し、ピアエデュケーターへのインタビューを行い、より詳しい話を聞きました。
ジャンラヴィ高等専門学校(看護師、医療アシスタントなどを目指す医療系学校)のピアエデュケーターたち(下写真)の話を紹介します。
医療系の学生でもHIV/AIDSに関する知識レベルは様々で「きちんと理解したのは初めて」だったそうです。
PHJの教育活動に参加したおかげでチームで働くことを学び、勉強の合間を縫って、他の学生に伝えるピア教育の準備をし、
大変ではあったけど、ピア教育を終えた後は達成感があったとのこと。
学校職員からも「学生たちは将来医療機関で働くので身体や性について話すことになれることはとても重要です。それでなけでなくチームで働き、大人としての責任と自信を持つようになった」という言葉をいただきました。
PHJのエイズ予防教育は、エイズ予防という枠を超え、学生の主体性を引出し、チームワークやコミュニケーション力を高めるなどさまざまな可能性を秘めている活動であるということを感じました。
カテゴリー: 活動内容
PHJの活動内容
保健センターの運営の支援とは?
たとえばけがをしたり、病気になったりして、
病院に行くことを想像してください。
(二輪バイクで保健センターまで、という光景はよく見かける)
まず、病院にいくまでの道のりが遠い。
たどり着いた病院は、施設そのものが老朽化し、
清潔からは程遠い状況。
スタッフもぶっきらぼうに対応する。
そもそも、スタッフがいないことさえも珍しくない。
(支援地域の保健センターの内部)
そんな病院にあなたは行くでしょうか。
カンボジアの支援地域の保健センターは上のような状態が
珍しくありません。
PHJがカンボジアで実施している「保健施設機能強化」というのは、
そうした保健センターのハード・ソフト両面でサポートし、
患者さんや妊産婦さんが訪れたいと思う環境を
整えることを目的にしています。
保健センターの運営状況を確認する月一回の会議。
保健センターの衛生管理、器材管理、会議の実施などが
きちんとなされているかを確認します。
さらに保健センターに訪れる村人の声もここで反映されます。
たとえば二月のミーティングでは保健センターに行ったのに
助産師がいつもいない、という声が村人からあがってきている
ことについて話し合いました。
こうして問題を把握し、そして改善に向けて対策を考える
機会となるミーティングはとても重要です。
毎月の会議を繰り返すことで、
支援地の保健センターは大きく成長するでしょう。
インドネシア 過去のプロジェクト 医療機器技術指導
PHJは、現地で不足している医療機器の寄贈、また現地において故障したまま放置されている機器の修理・調整、さらには医療スタッフや保守技術員の技術向上教育を行っています。1997年からはバリ州東地区の公立病院で医療機器技術指導を行っています。この事業は、画像診断装置による病気診断技術を向上させるために、現地専門医師や日本の専門医師・技師を派遣するなどの技術指導教育研修を毎年定期的に実施しています。
バリ州東地区ギアーニア県は、県保健局・病院共に医療改善意欲が高いことから、今後は中核病院であるギアーニア病院では乳がん診断等の新分野への展開を計画しています。
活動レポート
これまでの活動について
PHJがインドネシアで最初に着手した活動は、日本のODA資金によって1990年代に建設されたバリ州デンパサール地区のサングラ救急病院での医療機器技術指導でした。予算不足と補修技術の不足により半数近くの医療機器が故障したまま放置され、患者の病気診断と治療に支障が出ていて、立派な病院の機能が生かされず困っていました。PHJはインドネシア保健省、バリ州保健局と協議し、故障機器の調査、修理交換部品の支援、さらに医療スタッフや保守技術員の技術向上教育を行い、1999年までの3年間でサングラ病院を含む4つの公立病院の90%以上の医療機器を稼動させました。
また、産婦人科分野でも装置を支援するとともに日本から専門医師を数人に派遣して画像診断技術を伝授しました。
2002年には口腔衛生教育プログラム実施しているバリ州東地区ギアーニア県での超音波画像診断技術を向上させるために、公立病院の医師を日本の有力医科大学病院に招聘しました。
2005年には、ギアーニア病院のバリ東地区の中核病院構想に協力してX線CTを支援しました。X線CTの運用と画像診断技術習得のため3名の現地医師を招聘し技術研修を受けてもらうと共に、設置後は日本の有力病院の協力を受けて検査技師を派遣し、画像診断技術(超音波を含む)を現地の医師・技師に教育しています。(毎年継続実施)
チャリティカレンダー用のお絵描きをセラピーの一環として実施
年間分娩件数600件の保健センターとは?
あらためてカンボジアの保健センターについてご案内します。
保健センターは住民に最も身近な保健施設。保健センターでは予防接種や妊婦健診、分娩介助などの保健サービスを住民に提供しています。しかし、サービスを提供するための人材が不足しているため、PHJは人材教育を支援しています。
そうしたなかでも、住民に頼られる優秀な保健センターもあります。
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下の写真に写っている生まれたばかりの赤ちゃんがいるのは
メサー・チュレイ保健センター。
ここの保健センターの出産件数はなんと年間600件。単純計算で1日2件弱。
他の保健センターで年間100件にも満たないのですから、地理的に有利な点があったとしても、この数字は目を見張るものがあります。
この保健センターに腕の良い助産師が大勢いるのかわかりませんが、
ここの強みをほかの保健センターにも共有することで、保健センターのレベルアップのきっかけになるかもしれません。
続いてほかの保健センターをご紹介します。たとえば下のオウ・ムルー保健センター。隣に小学校が併設されています。
今日は、若い夫婦が生後1か月くらいの赤ん坊を連れてきています。
予防接種を受けていました。これから頑張って育ててください!
乳がん早期発見プロジェクトの終了と最終報告
ベトナムでの乳がん早期発見プロジェクト第2期(2013年―2016年)が修了し、最終報告が行われました。
この活動を支援してくださっている横河商事株式会社の横河惇社長と、坂口均取締役が
ベトナムで行われる本活動の最終報告と修了式に参加しました。
2013年から現地で活動を進めたVWU(ヴェトナムウイメンズユニオン)の
副代表Tran Thi Huong(左)と横河商事の横河惇社長(右)。
3か年の計画で実施されたプロジェクト。3年目の乳がん早期発見のプロジェクトは5つの省で実施され参加した女性は、目標より2000人以上多い、7315名となりました。
その理由としては地域で自発的に活動が行われたとのことです。
自立支援のPHJとしては理想的なかたちで活動が発展し、
現地移管ができました。
WORLD AIDS DAY2015に合わせて教育強化
WORLD AIDS DAY2015がPHJの活動地チェンマイで開催され、チェンマイ県副知事よりPHJのHIVAIDS予防教育に対する感謝状が渡されました。
このWORLD AIDS DAYに合わせて各高等専門学校で強化月間として教育活動をより大々的に実施しました。
コンドームといった避妊具の正しい使い方やゲームやクイズ形式によるHIV/AIDSの学習を行い、各校で通常より多い人数(100人、300人規模で)に対する活動を行いました。
カムカムクメールとの連携による教育活動
今月は地域住民への保健教育に合わせてNPOカムカムクメールという団体の口腔衛生教育を合わせて実施しました。
最初に保健教育を行い「家族計画」をテーマに家族計画の必要性や避妊の方法などを伝えました。
その後カムカムクメールにより、口腔衛生教育を実施しました。(くわしくはこちら)
日本から来た歯科医師や歯科衛生士が優しく歯の健康について話し、
実際に歯ブラシを配って歯磨きの方法について指導しました。
また、カンボジア人の学生が手洗いの歌を歌って、
楽しく衛生について教育を行いました。
歌に合わせて楽しみながら歯磨きや手洗いを教わる子供たちは真剣そのもの。
教育活動をしているPHJとしても学ぶことの多い教育方法でした。
スジュン村での保健教育の成果
スジュン村において、PHJは安全なお産を支えるべく、母親層の知識の向上にポイントを置き、保健指導を行ってきました。助産師による妊婦教室もその一環で、PHJのサポートは昨年10月で終了したものの、現在も毎月妊婦検診・教室が実施され続けています。
また、ポスケスデスの利用状況についても、好調な利用状況が確認されています。
昨年1月~10月に妊婦健診に訪れた利用者は総勢295名で、そのうち70名以上が継続的に4回以上健診を受けていました。診療所が、妊婦さんにとっても知識向上の場として使われていることが伺えます。
一般診療は、村人の健康相談・診察も含め227名(昨年1月~10月)でした。同じ期間の自治区診療所を利用した自治区全体での数が300名余りだったことをみると、かなりの数の利用者であったことがわかります。
整頓されて機能的に使われている診察室
妊婦健診の際に実施される妊婦さん向けの教室
2村で保健教育を実施
地域住民の意識向上活動の一環として、2015年12月、2村で保健教育を行いました。トピックは「妊婦健診」です。参加者は全部で132人(うち15歳未満の子供が79人)でした。
村における保健衛生の意識向上のためには村人たちに正しい知識を分かりやすく伝えることが必要です。
そのため、PHJではこのほかにも「家族計画」、「安全な分娩・新生児ケア」、「母乳育児と栄養」、「下痢・衛生」、「結核」、「HIV/AIDS」、「予防接種」など身近な保健衛生を題材にした分かりやすいフリップチャートを作成し、対象となる村を巡回訪問し、フリップチャートを使用して保健衛生の正しい知識を村人に理解してもらう活動をしています。
ボランティアスタッフによる保健衛生の意識向上のための教育活動
興味深そうに話を聴いている子供たち