小児科チーム連携会議を開催

ストゥントロン保健行政区で、小児科チーム連携(PCAT)会議を6月28日に開催しました。
会議には、ストゥントロン保健行政区長とスタッフ、地方病院スタッフ、ストゥントロン保健行政区管轄保健センタースタッフ各1名、またPHJからは石山所長とスタッフ1名が参加しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、参加人数を制限しての開催となりました。

この会議は管轄地の子どものケア関する問題を共有し、その解決策を導き出すこと目的としています。
今回は2021年前半の活動の振り返りを行いました。


保健行政区長が、2021年度前半の子どものケア関連の保健サービスについて、好事例や問題点をプレゼンテーションしました。

その後さらなる子どものケアサービスの向上に向けた話し合いが行われ、
スタッフ同士の役割分担の効率化、記録の強化、カウンセリングのスキル向上、小児疾病統合管理(IMCI)の再研修実施などが解決策としてあげられました。

PHJでは、事業地で小児疾病統合管理と身体測定・栄養教育(GMP)の再研修を実施する予定です。
また、現在、保健行政区スタッフによる保健センタースタッフの子どものケア技術指導を対象4保健センターにてサポートしていますが、今後はストゥントロン保健行政区全12保健センターへと指導のサポートを拡大する予定です。
カンボジアの子どもたちの健康をより強固に支えていきたいと思います。

【本事業は、外務省日本NGO連携無償資金とサポーター企業・団体、個人の皆様からのご支援により実施しています。】

市場で感染予防の衛生キャンペーンを実施

コンポンチャム州内で新型コロナウイルスの市中感染が拡大し、PHJの事業地でも新規感染者が確認されました。
PHJは区役所と連携し、6月26日、感染予防対策として衛生キャンペーンを行いました。

キャンペーンの対象地としたのは、人が集まる村の市場。

不特定多数の人々との接触が多い小売業の人々に感染予防のリーフレットとマスクを渡したり、スピーカーで感染予防のメッセージを流すなど、啓発活動を実施しました。マスクをつけていない人にも、その場で感染予防の大切さを説明し、マスクを配布して着用を勧めました。

本キャンペーンに協力・参加した区役所にもマスク500枚と消毒ジェル(30リットル)を寄贈しました。

【本事業は、大日本住友製薬株式会社様からのご支援により実施しています。】

出産後もケアが受けられる保健センターへ

事業地内の保健センターには「産後ケア室」があります。この部屋は緊急事態への対応はもちろん、産後の体を休め、心身のケアをしたり、育児に関する知識を伝えることは母子の健康にとって重要です。
しかし、3つの保健センターの産後ケア室は、設備が整っていません。
そのため、産後のお母さんと赤ちゃんは産後直後でも、自宅に帰っていました。

オームルー保健センター産後ケア室
ピアムコスナー保健センター産後ケア室

 

アレアッタノー保健センター産後ケア室

そこで、クラウドファンディングを実施し、いただいたご寄付を設備購入にあてました。
PHJスタッフが備品の購入から、キャビネットの組み立てなどすべてを行いました。電気系統やドアの整備を行った産後ケア室もあります。



各産後ケア室には主に車いす、点滴台、カーテンレール、カーテン、網戸、マットレス、キャビネット、棚、扇風機、医療者用デスクなどを整備しました。

設備支援後のピアムゴスナー保健センター産後ケア室

3つの保健センターの産後ケア室に必要な設備が整いました。これからは産後の母子がゆっくりとケアを受けられることを願います。

カンボジア 産後母子ケア支援オンライン寄贈式

4月7日(水)に ホテル日航成田にて、成田コスモポリタンロータリークラブのご支援によるPHJカンボジア 産後の母子ケア支援プロジェクトのオンライン寄贈式を開催しました。
本来であれば、ロータリークラブの方がカンボジア現地へ訪問し活動を視察する予定でしたが、今回は世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡航ができなかったため、ZOOMによるオンラインの寄贈式を行うことになりました。
(オンライン寄贈式の会場で寄付者代表挨拶をする成田コスモポリタンロータリークラブ 藤崎政弘会長)
オンラインによる寄贈式は初めての試みでしたが、日本とカンボジアの画面を隣り合わせにして、画面上であたかも日本からカンボジアへ寄贈品を手渡しているかのような演出もできました。

(藤崎会長から寄贈品を受け取るPHJ藤野部長。画面上でもPHJカンボジア石山所長が寄贈品を受け取っているように演出)
こちらはカンボジア側で撮影した写真。左から州保健局 母子保健部 部長補佐スタッフ Ms.Penh Sokunthy、保健行政区 母子保健担当 Mr.PhaiVichet

映像による活動報告(医療者に対するスキル向上支援)も行いました。

映像の最後にサプライズで、PHJカンボジアスタッフ スレイレアンが最近出産した女の子の名前を紹介。私たちも驚きだったのですが、なんと、「ナリタ」と名付けたとのこと。
2019年に成田コスモポリタンロータリークラブの皆さんがカンボジアを訪問しスタッフと交流した時に、とても楽しかったこと、そしてナリタという響きがかわいい、ということで名付けたそう。

その後、藤崎会長が挨拶の中でぜひナリタちゃんに会いにカンボジアを訪問しましょう!!と言ってくださいました。
支援者の皆様が現地訪問できなかったことは残念でしたが、クラブの皆様が寄贈式に参加いただけたことなどオンラインだからこその良さも体感できました。

クポッタゴン保健センターの入り口舗装

雨季は水たまり、乾季は砂埃で、診療所へ訪れる人を困らせていたクポッタゴン保健センターの入り口ですが、舗装工事が行われました。
こちらの工事費用は2021年2月15日に終了したクラウドファンディングで集まった寄付を使っております。


最初に路床となる土や砕石を準備

土をひいて

石をひきます。

その後、針金をひいて

コンクリートを流し込み
完成しました!

ウェルカム!という感じですね。
アクセスがしやすくなって、患者さんも、診療所のスタッフも喜ぶでしょう!!

医療スタッフ向けの栄養研修を実施

事業地では低栄養、特に発育阻害と低体重の子どもが多いといった課題があり、
医療スタッフに対する栄養に関する知識や技術の強化が必要とされています。

JICA広報誌mundi2020年1月号より抜粋

こうした背景から
医療スタッフに向けた栄養研修を継続的に開催しています。
1月も、保健省のスタッフが講師となり
保健行政区スタッフと州保健局スタッフを対象とした栄養研修とともに
各保健センターの全スタッフ対象の基礎的な栄養研修も行いました。

来院した子どもの健康状態を確認

イエローカードの使い方を確認しました。イエローカードは出生体重や予防接種履歴、子どもの成長度合いを記載するもの。カラーで作られており、子どもの成長の経過や、月齢と比較して低体重か否かを知ることが可能な便利なツールです。

イエローカードの使い方を担当の看護師と確認

 

栄養に関する基礎的な講義を保健センタースタッフに向けて実施している様子。

 


子どもの身体測定実践
子どもの身体測定実践

8月に行った栄養研修に参加できなかったスタッフも参加でき、保健センタースタッフに喜ばれました。
参加したスタッフは学ぶことに意欲的でした。参加者からのニーズもあり、栄養研修は再度開催する予定です。

補助助産師のスキルを確認

補助助産師のスキルの確認(モニタリング)を昨年12月と今年1月に実施しました。
補助助産師は、ミャンマー保健スポーツ省が定める半年間の研修を修了して認定を受けた後、医療従事者のいない村に配置され、無償で活動に従事する医療ボランティアです。助産師の指導と監督のもと、それぞれの村で、助産師による母子保健活動や保健啓発活動をサポートしたり、助産師不在の地域での妊婦健診や出産介助を行うなど、農村地域の母子保健において大切な役割を担っています。

PHJの活動地であるレウェイ郡には50名の補助助産師がいますが、補助助産師課程が修了してからの卒後教育の機会はほぼありません。また、こうした医療ボランティアと保健行政スタッフとの定期会議の機会もあまりありません。
このような補助助産師にとって、保健局スタッフやスーパーバイザーたちに自身の技術を確認してもらったり、助言をもらったりする機会は今回が初めてです。

活動では、保健局スタッフや地域保健センターに加え、助産師たちもスーパーバイザーとして参加しました。先月実施された助産師スキル・モニタリング経験を活かし、参加した補助助産師の技術を公平に確認することができました。

カンター地域保健センターで血圧測定の技術を確認
タペイピン地域保健センターで分娩介助の技術を確認

補助助産師からは、「補助助産師の資格を得てから月日がたち、年齢を重ねてきたことで、自信が無くなっていた。しかし、今回活動に参加させてもらえたことで、自分の技術を向上させ、また地域のために役に立つことができることが嬉しい。」と感謝の声がありました。

こうした活動は、医療に携わるものとしての技術や知識を向上させるだけでなく、それを行う人と人がつながる機会にもなっています。農村地域の妊産婦に寄り添う補助助産師と医療従事者が連携しながら、母と子の命を支える地域の医療ネットワークを整える支援を続けていきます。

【本事業は、小野薬品工業株式会社様からのご支援により実施しています。】


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