ルーマニア
概要 / 活動履歴
概要

ピープルズ・ホープ・ジャパンが活動拠点としている武蔵野市が長年にわたりルーマニア国ブラショフ市と友好都市関係にあったことが援助活動へのきっかけとなり、ブラショフ市にある唯一の市立ブラショフ産婦人科病院の医療改善事業に取り組みました。技術協力(医療教育)として日本から医師派遣、日本での受け入れ研修、機材供与の3つのスキームを事業基盤として、機材は母体及び新生児管理に欠かすことが出来ない血液ガス分析装置、全自動血圧凝固測定装置、超音波診断装置などを供与しました。それに医療教育として北里大学の協力を得て、同大学産婦人科西島先生、石川先生、今井先生の3先生をルーマニアに派遣、更にブラショフ産婦人科ダン院長を日本に呼び寄せ、北里大学で研修を行いました。また、医療衛生面でも改善として、50年前のものが今も使用されていた病院用洗濯機のリプレースを行いました。この病院用洗濯機は武蔵野市のボランティア団体と一緒に募金活動を行い、市民、地方自治体、外務省、NGOが一体となった支援活動の成功例になりました。

活動履歴

平成12年度

活動

  1. 事業開始初年度としてブラショフ産婦人科病院長が来日(10月)し、北里大学病院で支援協力の進め方、寄贈機器の優先度と将来計画について協議した。
  2. ルーマニアでは帝王切開手術が無秩序に実施されているとの実情、不妊症で悩んでいる女性が多いことを踏まえ教育セミナーを行った。
  3. 妊婦の子宮体癌が増加傾向にあることから専門医による教育を行った。
  4. 分娩室を中心とした医療機器と妊婦検査の向上を目指した機器を贈与。
  5. 医療機器の他に病院用洗濯 機を贈与して旧式(50年前)と交換した。

成果

  1. 過去2年は自己資金で機材のみ供与したが、今年度初の医師派遣によりルーマニア医療の現状と問題的が明らかになった。
  2. 産婦人科病院長の来日による北里大学病院との協議、医療現場視察によりプロジェクト実施に理解と積極的協力が得られた。
  3. 病院用洗濯機3基を寄贈したことで衛生面、作業効率面で改善され病院全体の医療改善につながった。

寄付機材

・麻酔機器
・超音波診断装置

平成13年度

活動

  1. 事業を通して「周産期死亡率の低下」がもっともふさわしい支援事業であることが確認され、目標を3年計画(平成15年度まで)とした。
  2. 周産期医療は産婦人科と小児科の両面から成り立つので小児科病院も支援することとした。
  3. 前年度派遣でルーマニア側から早産による母体への影響と早産による未熟児の赤ちゃんを救いたいとの協力要請があり早産防止対策に重点をおいた。
  4. 昨年医師派遣による分娩現場を視察した結果、妊婦の母体検査及び分娩の方法に指導が必要と判断された重点支援した。
  5. 日本における周産期救急医療システムを紹介して周産期死亡率低下の重要性を理解し、代表的な成功例を学ぶ指導を行った。

成果

  1. 分娩室の機器が揃い、医療技術指導の結果、600gの赤ちゃんを誕生させ、生育に成功した。(産)
  2. 病院のステータスが上がり、病院スタッフの士気が高まった。(産)
  3. 搬送された新生児の応急処置が出来る体制が出来始めた。(小)
  4. 自主事業ではあったが研修生が帰国後、事業推進の牽引車となった。
  5. (産)(小)病院間の情報交換が緊密になり、緊急治療対応が向上して周産期医療が改善された。

寄付機材

(1)ドプラー胎児診断層(産)(5)アルトカルディオグラフ(産)
(2)インファウォーマー(産)(6)パルスオキシメータ(小)
(3)保育器(産)(7)ベンチレータ(小)
(4)バイタルスコープ(産)

平成14年度

活動

  1. 前年度事業による医師派遣で、(小)病院では小児麻酔に係わる医療技術の遅れと関連機器の不足が大きな問題であることが分かり麻酔法の医療技術協力を実施した。
  2. 先天性甲状腺機能の低下による異常出産を防止するための教育を行った。
  3. 昨年に引続き分娩現場での内視鏡を使った検査、手術方法をビデオを使って具体的に説明した。
  4. 帝王切開手術で麻酔法の考え方、使い方、留意点等を指導した。
  5. (産)病院の分娩と検査関連機器は最低限揃ったので、今年度は帝王切開と異常出産での手術改善に向けて手術ベッドと手術照明を贈与した。
  6. (小)病院は新生児の感染予防が大きな問題となっており、検査技術向上に係わる検査装置を贈与した。

成果

  1. 分娩手術現場が改善されたので手術ミスが減り、手術時間が短縮された。(産)
  2. 無痛分娩に関するセミナーと実施指導は即現場に生かすことが出来、成果大であった。(産)
  3. 病理用検査装置が入り血液検査機能が充実し、新生児医療が向上した。(小)
  4. 初めて産科麻酔と小児麻酔の専門指導が出来た。(産)(小)

寄贈機器

(1)手術台                         (2) 手術用照明  
(3)ヘマトロジーアナライザ(小)  (4) 顕微鏡(小)

平成15年度

活動

  1. 支援事業の最終年度として産科と小児科が機能分割されているブラショフ市の病院が連携救急対応ができる体制を作る。
  2. 産婦人科病院から搬送された未熟児、障害をもった児が適切な対応処置を施され、慢性の肺疾患や先天性心臓病、先天性奇形児とならないよう小児科病院の医師教育と対応できる医療器械を供与する。
  3. 北里大学とブラショフの産婦人科、小児科両病院が事業終了後も医学情報の交換や人的交流を深めて、ルーマニア医療改善が進展するような土壌作りを行う。

成果

  1. 昨年11月に医師派遣をした際、産婦人科、小児科両病院ともに院内が改装され明るくなっており、医師、看護師、病院スタッフに改善への積極的な取組み姿勢が見られ、連携プレーも機能していた。
  2. 一年遅れで支援開始した小児科病院も自主努力で建設資金を集めて救急医療室の新設が進められており、今年度の医療器械がこの救急医療室に設置されると産婦人科病院からの緊急患者への対応が著しく改善されると期待される。
  3. 小児科病院から本年11月のルーマニアでの医学学会に北里大学の小児科、麻酔医師を招待したいという話が進んでおり、確実に交流が始まったといえる。

寄贈機器

  1. 麻酔器
  2. 超音波診断装置