タイ 子宮頸がん検診推進事業 (2010年11月より乳がん検診推進も実施)
子宮頸がんとは?
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因ですが、これは性交渉の経験のある女性ならば、多くが一生に一度は感染するウイルスです。一部の人の中では、この感染が長期化し、細胞が変化を起こし(異形成)、さらにそれが進行するとがん細胞に変化することがあります。しかし、定期的な検診で異形成の段階で発見できれば、比較的簡単な治療で治すことができるため、「予防できるがん」だと言われています。
PHJの活動の特徴

PHJでは、2001年に子宮頸がん検診推進事業を始めた時から、看護師や保健センター職員の教育に力を入れています。彼女らが中心となり、各村の保健センターや郡病院で、啓発教育や子宮頸がん検診を実施しています。検診の結果、がんが発見された場合、適切な医療機関に搬送しその後のフォローアップ活動を行うことで、対象地域での子宮頸がんによる死亡率を低下させることを目指しています。
活動地の変遷
(1) 2001年より2007年の7年間(外務省補助金と日本企業からの支援)
チャイヤプーム県: 首都バンコクから約330km、タイ東北部の典型的農村地帯で、タイで最も経済的に貧しい地域に属しています。
スパンブリ県: タイの中心部にあり、バンコクから車で北に約1時間行った場所です。こちらも典型的な農村地帯です。
ピープルズ・ホープ・ジャパンは、タイにおける子宮頸がん検診推進事業の効果が期待できると判断し、実施対象をタイ国立がん協会と協議の上、2001年よりチャイヤプーム県のコルンサワ郡(対象女性約20,000人)、クラオ郡(対象女性約19,500人)、ノンサンガ郡(対象女性約9,800人)、チャトラス郡(同30,000人)、スパンブリ県のコルンサワン郡(対象女性約22,000人)、ドンチェディ郡(対象女性約17,000人)の6地域で活動してきました。事業終了時には、50%の検診受診率を達成しました。
(2) 2008年から2010年の3年間(日本企業からの支援)
チェンマイ県の2郡(メリン郡・メタン郡): タイの北部に位置するチェンマイ県は、タイの第二の都市です。
2007年からは、対象地域を比較的都心部である、チェンマイ県メリン郡およびメタン郡(対象女性40,530人)に移し、事業終了時には、検診受診率62.6%を達成しました。これは行政が設定している子宮頸がん検診受診率50%を上回る受診率であり、チェンマイ保健局からも高く評価されています。
(3) 2011年から2014年の3年間(外務省補助金)
チェンマイ県の6郡(サラピー郡・サンカンぺーン郡・サンサイ郡・ドイサケット郡・ハンドン郡・サンパトン郡)
2000年から、がんがタイ人の死亡原因の1位になっており、15-44歳のタイ人女性において、がんによる死亡率のトップが子宮頸がんです。100,000人当たりでは年間8.3人、タイ人女性全体では2,620人が亡くなっています(National Cancer Institute Thailand, WHO/ILO 2009)。しかしタイでは、早期発見に有効な検診受診率が27.9%と未だに低い状態です。(Health Information System Development Office 2007)。
2010年11月よりスタートした3年プロジェクトでは、チェンマイ県郊外にある6郡(サラピー郡・サンカンぺーン郡・サンサイ郡・ドイサケット郡・ハンドン郡・サンパトン郡)で、30歳から60歳の女性125,100人を対象に、タイ保健省が掲げている子宮頸がん検診受診率50%以上達成を目標としています。
また、食の欧米化などにより乳がんの罹患率・死亡率も増加しているものの、女性住民の間では乳がんに関する知識が乏しい状況のため、乳がんの自己触診の方法を伝える活動も同時に行います。

これらの活動を効率的に行うため、移動検診車を活用します。これを使うことで、学校やお寺、工場内での検診が可能となり、物理的・心理的距離のある女性にも検診に参加してもらうように働きかけます。
プログラムの将来
より高度な知識/技術を持っている医療従事者が、現場の看護師・保健センター職員をトレーニングすることによりこの事業の現地での自立を支援し、一日も早い定着を目指しています。当プロジェクト終了後、チェンマイ県の子宮頸がん・乳がん検診事業の現地化を目標としています。











