インドネシア 口腔衛生予防教育事業
活動地
バリ州(首都ジャカルタから1,600km)東バリ地区のギアーニア、バングリ、クルンクンの3県(州都デンパサールから車で1〜3時間)。 (バリってどんなとこ?)
経緯
活動開始のきっかけは、経済危機の真只中1998年暮に外務省からの現地状況についての委託調査でした。調査分野の一つ、歯科の状況は非常に悪く、診療所に歯科医師・歯科衛生士が配置されていないのは当り前、虫歯の治療器材は電動ではなく足踏み式が使用されていました。
また、歯科サービスへの予算は大幅に削減され、本来実施すべき口腔衛生教育と歯科検診を凍結する診療所がほとんどで、家庭でも経済的理由から歯ブラシなども購入できず歯磨きをしない子供が多く、そのうえ虫歯治療の必要性を理解している保護者も少なく、歯は自然に抜けるまで放置されている状態でした。
言うまでもなく、口腔衛生は人の健康に非常に重要で、言語発達障害・栄養不良はもちろん、最悪の場合心臓疾患などを引起す可能性もあります。
このような状態の口腔衛生改善を目的に、1999年からバリ州東部地域の各診療所の歯科医師及び歯科衛生士と共に、診療所の歯科サービス改善強化と村の小学生・園児を対象とした口腔衛生教育・予防教育活動を開始しました。
この活動には、PHJスタッフとして歯科医師と歯科衛生士が専任しました。
活動内容
口腔衛生予防教育事業は、主に「口腔衛生予防教育」「予防治療」「歯科サービスの向上」の3つの活動で構成し実施しました。
「口腔衛生予防教育活動」
主に小学生を対象にした活動で、活動は1.口腔衛生予防教育、2.歯磨き実践、3.歯科検診の3ステップです。
1.口腔衛生予防教育は、独自に作成したパンフレットやポスターを使用して口腔衛生知識やオーラルケアの重要性を子供と保護者に指導。
2.歯磨き実践は、全員一斉に歯を磨き、歯垢染出剤を使って丁寧な歯磨きをしないと磨残しがあることを体感させ、納得させる。
3.歯科基礎検診を基に整備された清潔な歯科機材による治療が受けられるような環境整備を実施。

1.と2.のステップは、学校の保健担当スタッフが上級生をピアリーダー(ジュニアデンテイストと称す)として育成し、ピアリーダーが下級生を教育しました。また、幼稚園では園児を対象に「紙芝居」を使って「どうして虫歯になるのか」を話すと同時に、園児の親へも口腔衛生教育を行い、歯科検診結果を基にカウンセリングも実施しました。
「予防治療活動」
上記3.の歯科検診として実施する虫歯にならない丈夫な歯にする為の治療啓蒙活動です。
この活動では1.シーラント塗布(奥歯の溝を塞ぐ)と2.フッ素塗布(フッ素を歯に付着させる)を行っています。学校訪問には持運びできる歯科治療台と小型自家発電機を備えた専用の巡回検診車で活動に出かけます(ほとんどの学校には電気がありません)。また学校訪問だけでなく診療所や歯科医院へ遠い場所に住む生徒のために、予防治療と同時に簡単な虫歯治療も行いました。
以上の活動対象は、5診療所管轄の125小学校児童11,000名と2診療所管轄の17幼稚園児1,100名、カウンターパートはインドネシア歯科医師会東バリ支部です。
歯科サービスの向上

口腔衛生予防教育活動に加えて、診療所の歯科設備(デンタルチェア24セット)、自治区に小児専門の歯科診療室の新設(デンタルチェア2セット)、またギアーニア病院には歯科用パノラマレ式ントゲン撮影装置など歯科医療機材のリプレースを実施しました。リプレースと平行して歯科医療従事者への専門技術研修(4回)や診療所のスタッフと現地住民の交流も実施しました。
プログラムの今
この活動も13年目に入り、活動は完全に現地移行し定着しています。小学校では保健衛生担当の職員がジュニアデンテイストを育て、下級生に啓発教育をしています。一方、PHJはこの事業を通して、現地の子供たちに過剰歯・転位歯・異常歯石等の多発を経験したので、毎年1回、保健スタッフや歯科専門家に集合教育による技術のブラッシュアップ研修会(7日間)の開催を継続支援しています。











