カンボジア 超音波画像診断技術トレーニング

活動地

プノンペン市: カンボジアの首都プノンペン。その中心部にあるプノンペン市立病院産科婦人科が活動地です。

経緯

カンボジア 超音波画像診断技術トレーニング

この市立病院は、多くのプノンペン市民に利用されている市立病院です。特に、産婦人科は、地元の保健センターや民間クリニックからの搬送はもとより、地方病院からも対処が難しい症例が搬送され、年間約2,000の分娩数を数える国内有数の医療施設となっています。

この病院の産科婦人科に出入りし、熱心にトレーニングに取り組んでいた日本人専門医との出会いがあり、医師の協力を得てPHJが、この病院の産婦人科で超音波医療機器を活用した画像診断トレーニングを行い、産科医療サービス向上を目指すことになりました。このトレーニングは、PHJが重点を置いている母子保健分野での活動であり、裨益効果は大きいと判断しています。

現在の活動

PHJは、このプノンペン市立病院産婦人科で、2007年4月より超音波医療機器を使っての基礎的診断技術の向上を目指すべくトレーニング開始しま した。具体的には、市立病院カンボジア人産婦人科医師6名を対象に、日本産科婦人科学会専門医が、超音波医療機器を使っての超音波画像診断技術指導を実施 しています。

基礎的な実習を中心とし、胎児の正常な成長や異常を確認し、治療に活かす産科領域での画像診断基礎技術の向上、婦人病の早期発見ができる画像診断基礎技術の向上を図りました。日本であれば3−6ヶ月程度の研修で習得できる内容ですが、カンボジアでは大学での医学教育や卒後教育が十分でないため、基礎 科目から時間を掛けて行う必要がありました。

一方、このトレーニングでは、将来のカンボジア人医師同士の学びあいのシステムの構築に向けた準備も始めています。具体的には、症例を記録し、共通ファイルにまとめ始めました。このようなシステムを構築することで、カンボジア人医師同士が学びあう技量を上げ、日本人専門医の関与が少なくなることを狙っています。

プログラムの将来

プノンペン市立病院の産婦人科医師が、グループとして、習得した画像診断技術を維持向上できるようになればと思います。

用語の説明

経膣プローブ(超音波医療機器)とその有効性:  西野医師 談

産婦人科領域の所見はMRIという検査と経膣超音波が同等程度に精度があると言われています。つまり、経膣超音波はお腹から行う超音波検査にくらべて、非常に細かいところまで分かるということです。

特に子宮外妊娠の診断や、流産などでは症状が重篤になる前に診断がつくという利点があります。また、前置胎盤でも確実な診断が可能です。前置胎盤は帝王切開をしないと胎児ばかりか母親の命も奪う危険な状態ですが、早期に診断して帝王切開することで危険な状態を回避することが可能です。診断で、経膣エコーが使 用できることは大きなメリットになります。

実際、市立病院でも、トレーニングの成果を活かし、経膣エコーを使って前置胎盤の診断をし、適切な処置がとられるようになってきました。