カンボジア 母子保健改善事業
活動地
コンポントム州(スタンサエン郡・コンポンスバイ郡): 首都から北東170キロ、首都から車で3時間かかる所に位置する。(コンポントムってどんなとこ?)
2006年からは、プレイベン州でパイロットプロジェクトを始めました。
経緯
2001年から、PHJスタッフがカンボジアへ出張で調査にでかけるようになりました。
そこで、出生率の高い(2003年現在、4.7人)カンボジアにおいて、出産のトラブルによってたくさんのお母さんが亡くなり、10人に1人の子供が1歳 を迎える前に亡くなる状況であることを知り、母子保健分野に注目しました。
さらに、カンボジア保健省や在カンボジア日本大使館、JICAからのアドバイスで、活動地を農村部のコンポントム州に絞りました。
コンポントム州では、特に、出産介助ができる助産師(診療所スタッフ)が非常に少なく、多くの妊婦さんが伝統的産婆に出産介助を頼んでいます。
そのため、村の人が一番アクセスしやすい診療所の母子保健サービス(出産・妊婦健診・産後健診・予防接種・家族計画)を改善することに着目したのです。
現在の活動
診療所が母子保健サービスを正しく提供できるようになる”ことを目的に、1.診療所スタッフ技術向上、2..診療所運営力強化、3.母子保健情報・知識の共有 という3つの戦略を立てて活動を行っています。
PHJは、カンボジアで2008-2010年コンポントム州南部のバライ/サントゥク保健行政区で母子保健改善事業を実施しました。事業終了に際し、地元保健行政や村のボランティアさんと事業評価を行い、事業評価報告書
を作成しました。
この母子保健事業には、多くの個人や企業、助成団体や外務省からご支援頂き、改めてお礼申し上げます。なおこの評価報告書作成につきましては、外務省「日本NGO連携無償資金協力」よりご支援を頂きました。
診療所ってどんなところ?
カンボジアでは、“人口1万人につき診療所1つ”を目安に診療所の設置が進められています。
そして、村人が何かからだの問題があったときに、一番身近な公共の医療施設であるべきところが診療所です。
しかしながら、カンボジア政府はなかなか十分な予算を確保できないため、診療所でのサービスに必要な予算も足りません。
そのため、診察に必要な器具や診療所スタッフも十分ではありません。その上、診療所スタッフのわずかな給料も2〜3ヶ月遅れることも通常です。
どんな活動をやってるの?今年度の計画
1. 診療所スタッフ技術向上
16名の診療所スタッフが、診療所の母子保健サービス(出産介助・妊婦健診・産後健診・予防接種・家族計画)および村における保健教育を正しく提供できるようになるように、教育トレーニングを行っています。

2. 診療所運営力強化
診療所スタッフが自ら組織運営上の課題に取り組み、サービス向上に繋げていけるよう手助けします。
今年度は、運営における問題分析を行い、現状から着手できる運営に関する問題を絞り込み、具体的な解決策の模索につなげてゆく問題解決力育成をサポートします。
3. 地域の母子保健情報・知識の共有
診療所スタッフが中心となって、地域で保健情報を伝達する役目を担っている60名のヘルスボランティアと80名の伝統的産婆を対象に母子保健のトレーニングを実施できるよう側面サポートします。
これにより、地域での人材育成、彼らと診療所の協働関係構築を目指しています。
更に、村人一般向けにも保健イベントを開催し、母子保健の重要性をアピールしていきます。

プログラムの将来
現在の診療所は、まだちょっと頼りない・・。
きちんと正しいサービス提供できてるかな?
記録をきちんと取れてるかな?
午後も開業できるかな?(現在は、給料が少なく、午後は生活のため副業せざるを得ません)
村のボランティアさんときちんと情報交換できてるかな?
診療所利用者が増えてるかな?
と、いろいろな心配をしています。
まだまだ問題(診療所だけで解決できない問題も多い)はたくさんあるけれど、将来はこんな心配する必要もないくらい、診療所が自信と誇りを持って仕事を行い、村人から信頼されて頼られる診療所へ成長してほしいです。
用語の説明
- 伝統的産婆:
- カンボジアの村での伝統的産婆の役割は幅広く、助産だけでなく、各疾病へ伝統療法を使って治療しており、村人からの信頼は厚い。
しかしながら、大半の伝統的産婆は基本的な研修を受けておらず、複雑な出産には危険が伴い、カンボジアの妊産婦死亡率を上げてしまう要因の一つとなっている(妊産婦死亡率450人/10万人、日本は10人。2000年WHO統計より)。
カンボジアのお母さん202人に聞きました!
コンポントム保健郡に住む、1歳以上2歳未満の子どもを持つお母さん202人に聞いた、母子保健意識調査結果の一部です。
1. 職業
農婦: 81%、 専業主婦: 6%、 市場で働いている: 6%、 その他: 7%
2. 前回のお産は、誰に介助を頼みましたか?
伝統的産婆: 81%、 助産師: 12%、 病院スタッフ(救急): 4%、 その他: 3%
3. (2.の続き)なぜ、伝統的産婆に頼みましたか?
その伝統的産婆をよく知っているから: 46%、 費用が安いから: 35%、 医療施設のサービスを知らないから: 10%、 健康に問題がなかったから: 4%、 その他: 5%
4. お産にかかった平均費用
助産師による介助(病院の緊急も含む): $13.9
伝統的産婆による介助: $2.2
5. 出産のためにお金を借りた人の割合
54.9%
6. 前回のお産は、どこで行いましたか?
家: 87%、 医療施設(診療所または病院): 8%、 病院(緊急): 4%、 私立クリニック: 1%
7. (6.の続き)なぜ、その場所を選びましたか?
費用を考えて: 37%、 安全(Security)だから: 22%、 ゆっくり休めるから: 20%、 健康状態を考えて: 8%、 サービスの質がいいから: 4%、 その他: 9%











